共有

第481話

「もし彼女がその子を産むのを阻止できないなら、あなたは絶対に勝てないわよ!」はるかは挑発するように言った。「それに、今後私の投資なんて一切期待しないで!」

すみれの目が輝いた。「あなた、まだ奏からお金を引き出せるの?」

はるかは自信満々に顎を上げた。「少なくとも、まだ200億円は引き出せるわ」

すみれはすぐに返答した。「心配しないで!絶対に彼女があの子を無事に産むなんてこと、させないわ!」

……

夕方。

とわこが仕事を終えて家に戻ると、家の前に車が停まっているのに気づいた。

誰か来ているのだろうか?

車を止め、ドアを開けて降りた。

別荘の入口では、二人の子供と結菜が一緒に出てきた。

「ママ!」レラは大きな声で彼女を呼んだ。

マイクは、レラがとわこの前に走り寄るとすぐに彼女を抱き上げた。

「結菜がどうしてここに?」マイクは不思議そうに言った。

結菜は彼らの前に歩み寄り、にっこりと微笑んだ。「とわこ、私先に帰るね!」そう言って、そのまま帰って行った。

とわこはレラに聞いた。「レラ、結菜はいつ来たの?」

「私とお兄ちゃんが学校から帰った時には、もう家の前にいたよ」レラは眉をひそめた。「それに、結菜はお兄ちゃんに何か秘密を話してて、私には聞かせてくれなかったの」

とわこはその言葉を聞いて、少し離れたところにいる息子に目をやった。

秘密?

蓮と結菜の間に何か秘密があるの?

「とわこ、お腹空いたって言ってたでしょ?早くご飯にしよう!」マイクが急かし、レラを抱えたまま家の中に入っていった。

蓮は結菜との秘密について何も言わなかったし、とわこもそれ以上聞かなかった。

息子を尊重するべきだと思ったから。

翌日。

全国子供プログラミング大会の決勝戦が、この街の科学館で行われた。

全国から集まった60名以上の天才児たちが、この場で競い合う。

結菜は観客席に座り、ずっと蓮の方を見つめていた。

この大会に蓮を参加させたのは結菜だ。

結菜の先生が言うには、この大会で優勝すれば、そのまま全国最高の大学に進学し、天才クラスで学ぶことができるという。

結菜はこれが非常に良いチャンスだと感じた。

だから彼女は、蓮に挑発的な言い方をして大会への参加を承諾させた。

1時間半後、審査員全員が蓮に最高点をつけた。

司会者が「優勝者は三千院蓮」と発表
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status