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第45話

とわこは苦笑しながら答えた。「新しい恋なんて……私は無理やり結婚させられたの。以前、家が金に困っていて、継母が結納金のために私を嫁に出したの。まだ離婚してないんだよ!」

松山瞳は驚いて叫んだ。「なんてこと!継母とはいえ人間じゃないわ!とわこ、なんで早く私に言わなかったの!警察に行こう!」

とわこは彼女を落ち着かせようと押さえた。「そんなに大げさじゃないの。彼とは全然合わないから、いつでも離婚できるかもしれない」

松山瞳はまだ落ち着かない。「こっそり教えてよ、誰なの?あなたの旦那……いや、夫……うわ、なんか変な感じ!」

「確かに違和感があるわよね。離婚した後、話すよ」

「ダメ!今教えて!私が助けてあげる!」

三千院とわこは松山瞳の短気な性格をよく知っていた。

もし本当のことを話したら、きっと常盤奏の元に駆けつけてしまうだろう。

そうなったら、もともと不安定な関係がさらに悪化してしまうのは目に見えている。

「瞳、まずは渡辺裕之のことを調べてくれない?その時に絶対に旦那のことを教えるから」とわこは友好的に提案した。

「あら、旦那ってそんなにスムーズに言えるなんて、普段から呼んでるんじゃないの?」松山瞳はからかうように言った。

とわこは顔を赤らめ、ため息をついた。「たとえ私が彼を旦那って呼んだとしても、彼が応じるかどうかなんてわからない。彼だって無理やりなんだから」

「そんなに悲惨なの?私はてっきりその男があなたに一目惚れして、無理やりに奪ったのかと思った……」

「やめてよ!恋愛小説を読みすぎたんじゃないの?そんな展開じゃないんだから!」三千院とわこは声を荒げた。

瞳は首を振り、残念そうに言った。「先輩にはチャンスがないみたいね。彼があなたに気があるって知ってる?」

とわこの顔は凍りつき、石のようになった。

「もういいから、その顔やめて……彼が好きじゃないことは知ってるわ。彼にしっかり言っておくわ……午後はコンサートに行こうよ!大御所のコンサートよ!東京芸術劇場でよ!」松山瞳は話題を変えた。

とわこの携帯が鳴った。

新しいメッセージが届いた。

彼女は携帯を取り出し、確認した。

見知らぬ番号からのメッセージだったが、内容にはどこかで見覚えがある。

——午後4時にボディガードが学校に迎えに行く。常盤奏。

この見知らぬ番号、常盤奏なの?

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