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第43話

美術展?演奏会?

彼は一体何のショックを受けたのか?

常盤奏は言った。「20代前半の女性が好きそうなものを選んでくれ」

周防子遠は急に気づいたように言った。「承知しました、常盤社長。チケットを手配して情報をお送りします」

翌日の午前。

常盤グループ。

常盤奏は今日、用事があり、会社に来られない。

そのため、武田一郎と周防子遠は会社で彼の噂話を楽しんでいた。

「常盤社長はもうストレートに三千院とわこを美術展か演奏会に連れて行くって言ってるようなもんだよ」周防子遠は笑って言った。「二人に何があったのか、こんなに進展が早いなんて。前は離婚するんじゃないかと心配してたのに!」

武田一郎は冷静に分析した。「多分また寝たんだろうな。奏は心が冷たいけど、一度とわこの味を知ってしまった以上、いくら憎んでも身体は抑えきれないのさ」

周防子遠は言った。「これを三木直美が知ったら、きっと発狂するだろうな」

「直美には言うなよ。最近、彼女は毎晩酔っ払っていて、奏が彼女を哀れむとでも思っているんだ……」武田一郎はため息をついた。「まさか三千院とわこに負けるとは思わなかった」

「縁というのは時々不思議だよな。それに、常盤社長は今日一日中の予定をキャンセルしたけど、一体何でだろう」

武田一郎は言った。「彼のことには首を突っ込まない方がいい」

周防子遠は急いで首を振った。「そんなこと、しないよ」

東京大学。

医学部。

今日は国際的に有名な神経内科の専門家、羽鳥恵子教授の講座がある。

とわこは早めに学校の大講堂に来て席を取った。

それでも後ろの方の席しか取れなかった。

講座は午前10時から始まり、11時半に終わる予定だった。

講座が終わった後、とわこは急いで出口へ向かった。

彼女は特に羽鳥恵子教授を尊敬している。

今回、やっと教授に会える機会を得たため、どうしても教授に質問したいことがあった。

彼女は教授のチームを追いかけて、行政棟までたどり着いた。

行政棟の入口に差し掛かったとき、駐車スペースに止まっている黒いベンツに目が留まった。

こういう高級車は、いつみても目立つ。

常盤奏も同じような車を持っているから尚更だ。

ただ、車のナンバーを覚えていないので、その車が彼のものかどうか確認できなかった。

「彼がここに来るなんて、ありえるかな?」彼
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