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第116話

 真由美の男友達は、笑顔を浮かべながら弁解した。

「そうだよ、私たちは彼女に何もしていないし、なんでそんなに怒るんだよ!」

 真由美は冷笑し、平然としていた。

 真一の身長は彼女の友人よりも少し高いが、体格は細く、友人ほど筋肉質ではなかった。

 もし真一が本気で喧嘩を仕掛けてきたら、友人の相手にはなれないだろう。

 それなら、恐れることは何もない!

 「あなたたち、何か他に意図があっても、とにかく立ち去れ!

 これ以上和子に絡んだら、俺が手加減しない!」

 真一は怒鳴り、相手に厳しい表情を見せ続けた。

 「真一、もういいわ。彼らには本当に悪気はなさそうだから、行こう」

 和子が真一の腕を引っ張って言った。

 その瞬間、彼女のために立ち向かう真一の姿がとても頼もしく、心の中でなんとも言えない温かい気持ちが芽生えた。

 真一はうなずき、相手に警告の眼差しを送り、そして和子と共に去って行った。

 「くそっ!

 これでプレゼントが全部台無しになっちゃった!」

 真一と和子がだんだんと消えていく背中を見送りながら、真由美は足を踏みしめて怒っていたが、仕方がなかった。

 「そうだ、そうだ!

 この小僧、顔もそんなに良くないし、体格も私ほどじゃないのに、どうやってあんな美人を彼女にできたんだ?」

 男性の連れは嫉妬に満ちた顔で言った。彼は真一が和子の彼氏だと勘違いしており、心の中で不服を募らせていた。

 ライブ配信を視聴していたファンたちも同じだった。真一の容姿は陽気で魅力的だったが、和子のような絶世の美女とは釣り合わないと感じていた。

 美人が既に彼氏を持ち、その彼氏が「醜男」であると知り、ファンたちは真一の幸運をたたえつつも、彼に対して羨望と嫉妬心を抱いていた。

 「あなた、よく言うわね!

 彼がそんなに偉そうにしてるのに、どうしてさっき彼をきっちりと懲らしめなかったのよ!」

 あんたその臆病な顔をして、まさか怖がったんじゃないだろうな?」

 真由美は男を厳しく睨みつけ、ますます腹立たしい気持ちになっていた。

 「怖がるなんてことないよ、ただ一瞬反応が遅れただけだ……

 次にまたあいつに会ったら、ボコボコにしてやるからね!」

 彼の顔が真っ赤になり、自分が真一の迫力に圧倒されたことに気づいた。

 彼は少し恥ずかしくて怒りが
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