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第5話

隼人は一瞬固まった後、徐々に笑みを浮かべ始めた。

私は義手と切符を手に問いかけた。「これは一体どういうこと?」

彼は写真の束を私の顔に投げつけた。写真には男女が寄り添う姿。海辺で戯れ、森の中でキスを交わし、ショッピングモールでお揃いの服を着て仲睦まじく。さらには見るに堪えないベッドシーンや、切断された肢体まで。

私は一目で写真の女性が誰か分かった。他でもない、最も親しい親友、雪緒だった。

露骨な血なまぐさい画像に目の前が真っ白になる。吐き気を堪えるため、口を押さえた。

「あなた......雪緒を殺したの?」

「殺した?」

隼人は笑みを浮かべたまま言った。「私はそれを、素材集めと呼びたいね」

温もりのかけらもない彼の目を見て、背筋が凍る思いがした。

「なぜ」壁に寄りかかりながら、震える体を必死に抑える。「もし私のことを愛していないのなら、はっきり言えばよかったのに。なぜ私の精神鑑定書を偽造して、こんなことまでしたの?」

彼は一気に義手を外した。縫合後の醜い傷跡が露わになる。右腕がほぼ完全に切断されていた。「全て君のせいだよ。君が優秀すぎるから。君がいる時はいつも僕が一歩及ばなかった。家柄も、才能も、運も、全て君には敵わなかった。君と一緒にいることがどれほど辛かったか分かるのか?何度も何度も事故を経験して、それでもこの結末から逃れられない苦しみが分かるのか!」

事故。何度も何度も経験した事故。

隼人もタイムスリッパーだったの!

だから私をいつも見つけ出せた。だから周りの信頼をあんなにも簡単に得られた。

そうか。彼も私と同じように、愛する人を自分の手で殺してしまった悪夢の中で生きていたのだ。

「手に入れられないなら、壊してやる。僕のお姫様。君が高みから転落していく様を見るのは、本当に愉快だった。君を殺して、一つ一つ組み立て直して、僕の標本にする。そうすれば完璧な恋人になれる。君の親友の雪緒が、もう見本を作ってくれているよ」

彼は布で覆われた彫刻を開けた。見覚えのある顔が現れた。

雪緒だった!

彼女の顔に浮かぶ恐怖の表情と、飛び出さんばかりの目を見て、最期に何を目にしたのか想像するのも恐ろしかった。どんな処理をしたのか、その遺体は生きているかのように生々しく、まるで本物のようだった。

隼人は首を振り、残念そうな表情を浮かべた。「残念だよ
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