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第289話

私は非常に困惑していた。

彼ではないなら、誰が送ったのだろう?

RFグループの中で私たちが関わったことがあるのは彼だけだ......

そう考えていると、山名佐助が電話の向こうで突然思い出したような声を出した。「あ、そうそう、思い出した!俺だよ、俺!いやぁ、助手に頼んだんだが、きっと間違えたんだ。99個注文するように言ったんだよ、あなたたちの会社が順調に発展して、末永く続くようにってね」

山名佐助は少し申し訳なさそうに続けた。「999個は確かに多すぎるな。迷惑をかけてないといいけど?」

「そうか......」

私はエレベーターホールから会社内まで詰め込まれた花籠を見て、少し頭痛を感じながらも苦笑した。「迷惑というほどではないが......花屋さんに少し相談して、少しでも返せないか聞いてみようか?そうしないと、あまりにも負担をかけちゃいうから」

「いやいや、大丈夫だ。これくらいの金なら彼には痛くも痒くもない」

山名佐助は即座に言い、その後、軽く咳をして説明した。「俺の助手はただ生活を経験してるだけなんだよ。金持ちだから、ボーナスから引いておくよ」

「......わかった」

私は再度お礼を述べ、いくつか形式的な言葉を交わした後、電話を切った。

河崎来依が近寄ってきて尋ねた。「どうだったの?本当に彼が送ったの?」

「そうだよ」

私は笑って言った。「でも彼の助手が間違えて、99個を999個にしちゃったんだ」

山田時雄は眉をひそめ、少し考え込んだように言った。「そんなミスするかな?」

「まあまあ、そんなことはどうでもいいじゃない。花をもらえるだけで嬉しいでしょ?」

河崎来依は花が好きで、どんどん運び込まれてくる花籠を見て、嬉しくて笑いが止まらなかった。「写真を撮ってSNSにアップしなきゃ。これだけ花があれば、うちの会社は絶対に大繁盛するに違いないわ」

「どうぞ、どうぞ」

私は花屋の店主から伝票を受け取って、サインした。

河崎来依はその流れで提案した。「そうだ南、今夜会社で食事会を開こうよ。会社の正式な開業を祝って、新しく入った仲間たちを歓迎しようよ」

「いいね、私もそう思ってる」

私たちは同じ考えだった。私は山田時雄を見て、笑顔で彼を誘った。「先輩、今夜お時間ある?一緒に?」

南希が私の手に戻ってきたのは、彼のおかげだったから。

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