第6話

山本和美が私の家に駆け込んできたとき、石川孝信は焦りながら電話で助けを求めていた。

「高橋さん、はい、石川孝信です、ちょっと用事があるんですけど……」

私は無表情でドアを開け、山本和美は目を真っ赤にして、私を睨み付けている。

「孝信さんは？」

彼女が中に入ろうとすると、私は彼女のお腹を蹴飛ばした。

「石川綾子、あんた、気は確かか！」

「そうだね。お前の息子が私の息子を殺したときに、私はもう発狂した」

山本和美は少し目をそらし、悲しそうに訴えた。

「靖君はお前の息子を殴ってないよ。逆にお前の息子が靖君を殴った。今度、勘弁できない」

私はこんなに厚かましい女を見たことがない。

「じゃ、今、警察を呼ぶ。まず、お前が私の家に侵入ということを警察と話してみろ」

私は冷たく笑った。

「ちょうどお前の息子が刑務所で隣人が欲しいと思ってる、お前が行ってやれ」

山本和美の表情がようやく少し和らぎ、地に座り込み、涙を流して悲しみに暮れた。

次の瞬間、私の背後から突然人影が飛び出した。

石川孝信が山本和美を支え起こし、心配そうに尋ねた。

「大丈夫か？」

山本和美は首を振り、石川孝信のシャツを掴み、涙目で見つめた。

「孝信さん、靖君はまだ子供だよ！そんなことするはずがない！きっと悪い子に汚名を着せられたんだ」

「わかってる、急がないで……」

彼らの情が深い様子を見て、私は笑うしかなかった。

既に何人かの隣人がこちらを覗いているから、私はますますイライラした。

「出ていけ、どこか遠くで芝居してくれ。私の家の前で気分を悪くするな」

山本和美は赤くなった目で私を睨みつけた。

「石川さん、どうしてそんな……私を追い出すのはいいけど、孝信さんもこの家の主で、お前に彼を追い出す権利はない」

「どうして？」

私は目を細め、前に進み、突然彼女の顔に平手打ちをした。

「この何年もお前と曖昧な関係を持っていて、お前の息子の父親役をしていた。これは原因だ」

石川孝信は私が突然暴れ出すとは思わない。間もなく、山本和美は顔を覆って悲鳴を上げた。

「石川綾子、よくもやってくれた」

「お前たちが私の息子を死に追いやったのに、まだ私の家の前で喚き散らして、君こそ恥じるべきだ」

石川孝信も周囲に隣人が集まっているのを見て、彼は極めてプライドが高い人物なので、仕方