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第134話

彼女は全身の力が抜けて、山口清次の胸に寄りかかり、顔は赤く、唇を少し開けて荒い息をしていた。

 彼女の体が震えるのを感じ取ると、山口清次は手を引っ込めた。

 「どうだい?全身がリラックスしたか?」

 由佳は彼の胸に寄りかかりながら、猫のように軽く「うん」と答えた。

 山口清次は彼女を抱き上げ、自分の膝の上に座らせた。

 彼の意図を察した由佳は慌てて抵抗した。「ダメ、ダメ……」

 これ以上続けると、子供に良くない。

 山口清次は言った。「大丈夫だよ、明日は仕事がないから」

 彼はもう2か月もセックスしていなかった。

 まして、さっき彼女のリラックスを手助けしたことで、我慢の限界に達していた。

 由佳は彼に抵抗できず、ちょうどその時、外からノックの音が聞こえた。

 由佳はほっとして彼を押し、「早くドアを開けて」 と言った。

 山口清次は目を閉じ、低く呟いた。タイミングが悪すぎる。おそらく夕食の配達だろう。

 彼は浴衣を着て、部屋のドアへ夕食を受け取りに行った。

 夕食は非常に豪華で、山口清次はそれを温泉の縁に並べた。

 由佳は温泉に浸かりながら夕食を楽しみ、非常にリラックスしていた。

 夕食を終えると、由佳は温泉から立ち上がり、バスタオルを巻いて、「先に帰るね、ゆっくり食べて」と言った。

 山口清次の額に青筋が立った。

 ……

 由佳が出た後、彼は少し夕食をつまみ、温泉から上がって池の周りを片付けた。

 リビングに戻り、山口清次はソファーに置いてあった携帯を手に取ったが、それが自分のではなく、由佳の携帯であることに気づいた。

 彼は由佳の携帯のロック解除パスワードを知っていた。

 パスワードを解除すると、画面は彼女が見ていたばかりのLINEの画面に止まっていた。

 彼は自然と画面をスクロールし、手を止めた。

 それは加波歩美が前夜に投稿した内容だった:「深夜の付き添いに感謝。」

 写真を開くと、彼の手が写っているのが一目でわかった。

 投稿時間は、彼が由佳に内緒で加波歩美に会いに行った時刻だった。

 山口清次は眉をひそめ、心に一抹の不安がよぎった。

 由佳はこの投稿を見たのか?

 見ていないはずだ。

 まだスクロールしていないはずだ。

 山口清次は自
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