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第6話

ただ一人、愚かな心を持つ婿だけが残り、水田家の財産を持ちながら、苦しい生活を送っている、と。

水田家の葬式が絶大だった。

政治界と商業界で多くの人が水田家と関わりがあったため、全部の人に招待状を送らないといけない。

水田グループの強敵である柴田カンパニーのところも、招待状が届いた。

私は黒いドレスを身に着け、スーツを着た柴田光と手をつないで階段を降りてきた。

父はソファに座って、顔色が真っ青になっている。

私を見た瞬間、顔色が少し和らいだ。

「愛ちゃん……これからのことは俺たち男性陣に任せておけばいい、パパと光くんで行くから、愛ちゃんは家で私たちが帰ってくるのを待っていてくれる?」

たとえたくさんのことが起こっても、父は私に一言も責めなかった。

話すとき、いつも罪悪感に満ちているように感じた。

彼は私を守れなかったことを自分に責めていた。

「お父さん、以前はあなたたちが私を守ってくれました。

私も成長したんですから。

今回は私でみんなを守りたいと思いました。いいですか?」

葬式の現場では、豪華で壮麗な装飾が施されていた。

唯一の主人公水田修二は、手に持った弔辞の紙を開き、読むたびに嗚咽を漏らした。

まだ半ページも読み終わっていないのに、彼の悲しむ姿が写真になってネットで炎上された。

「悲しんでいるけど、顔が格好いい!目の保養になった美人社長!」

「壊れそうな雰囲気が美しい!」

「聞いたか、彼はこの生涯で二度と妻を迎えないと言った。彼の妻は、生死に関わらず、水田愛だけだと言った!」

「うわっ、死ぬ前に絶対にこんな彼氏を見つけたい!」

ネット上では、絶賛の声が広がっていた。

水田修二が作ったキャラがとても成功している。

たとえ時折不協和なコメントがあっても。

「考えたら恐ろしくないか、女性側の家族全滅、男性側が女性側の莫大な家産を相続したんだ、私はすべてが偶然ではないと信じている!」

こんな声があってもすぐに否定される。

「お前は不幸だからこんなくらい陰謀論ができたんだろ?!」

「陰謀論をそんなに上手く言えるなら、小説を書いたらどうだ?」

「自分自身がクソの塊であるなら、世界が巨大な糞溜めであると疑ってるでしょ。早く治療に行くべきではないか?!」

私の親友という身分で修二の隣に立っている小倉かなは、気を失いそうな
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