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第62話

中村由太は、自分の同級生たちの前で面目を取り戻すために、何とかしなければならないと思っていた。

立て続けに田中健太に面子を潰されたことで、今後どうやって同級生の前で威張れるだろうか?

そんなことを考えていると、突然レストランの入口から騒々しい声が聞こえてきた。

みんながそちらに目を向けると、いかにも悪そうな若者の軍団が入ってきた。彼らは全員入れ墨があって、手にはバットや鉄パイプを持っており、明らかに普通ではなかった。

その姿を見て、全員の顔色が変わった。特に中村正雄と山藤綾の顔には恐怖が浮かんでいた。

先頭に立っている、顔に傷のある男が入ってきた。まず、部屋全体を見渡し、中村正雄を指差しながら笑った。「中村くん、大きな開業をするのに、なぜ事前に声をかけないんだ?俺たちを見下してるのか?」

山藤綾は顔が青ざめ、無理に笑顔を作って言った。「あなたたちは……一体何をしに来たのですか?」

開業前に、山藤綾はこの辺でみかじめ料を取る人がいると聞いていた。このレストランの前のオーナーも、これらのチンピラによって店を手放さざるを得なくなり、仕方なく店を譲ったのだという話だった。

山藤綾は今の時代にそんなことがあり得るのかと疑問に思い、この場所を安く手に入れ、経営することにしたのだった。

しかし、開業初日からこれらの人がやってきたのだ。

顔に傷のある男は笑いながら言った。「ここで商売をするなら、俺たちのボス、山口に挨拶しなければならない。我々が求める額は多くない、このレストランの20%の株を俺たちにくれれば、お前たちは安心して営業できる。」

そして、顔に傷のある男は冷たい声で続けた。「もし拒否すれば、今日この店を閉めさせるぞ。」

この要求を聞いて、中村正雄と山藤綾は息を呑んだ。20%の株を要求するなんて、これはまさに強盗だ。

「一分で考えろ。」

中村由太はいきなり、自分の出番になったと感じて、すぐに前に出て言った。「お前たちはどこの人間だ?」

顔に傷のある男は笑いながら言った。「お前は何者だ?俺に自己紹介する価値もないくせに。」

中村由太は笑って言った。「俺の父親は京都で顔が利く。今から開発区のリーダーに電話してみるぞ!」

顔に傷のある男は少し警戒し、「お前、開発区のリーダーを知ってるのか?」と聞いた。

「もちろんだ!」中村由太が冷た
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