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第6話

警察署で怪我の診断書を書いてもらい、包帯を巻き終え、さらに映像をすべてコピーして提出した頃、渡辺裕が道具を持って私を迎えに来てくれた。

渡辺は私の結婚式企画会社の社長であり、今日一番の被害者でもある。

彼は私の全身の傷を見るや否や、ほとんど迷わず、ホテルで喧嘩しに行く気満々だった。

私は急いで彼を止め、「悪い奴には天罰が下るものよ」と言った。

だが渡辺は珍しくやさぐれた態度を見せ、「天なんて信じるか、あんたを傷つけるやつは俺が直接叩きのめしてやる」と吐き捨てた。

彼が私に特別な感情を抱いていることはずっと分かっていたが、小島の存在のせいで私はずっと知らないふりをしていた。

今、小島の本性を見極めた私は、小島が渡辺に勝るところなど何一つないと気づき、どうして以前あんな目が眩んだ状態であいつに尽くしていたのか信じられなくなった。

渡辺は噂によると裕福な家の御曹司で、姉が彼のビジネススキルを磨くために独立して起業させたという。ところが、結婚式企画という分野で街中の市場を独占してしまった。

渡辺が気を利かせて水を渡したり、椅子を拭いたりしてくれる姿を見て、私は彼の好意を断るのをやめ、渡された水を受け取った。

夜8時、次々と来客が会場に到着し始めた。

私と渡辺もマスクをつけて隅に座り、ショーの始まりを待つことにした。

私が横断幕をかけるよう誰にも頼まなかったせいで、遠藤と小島は、これが私が結婚を迫るためだけに用意したものだと思い込んでいて、今日の主役がそもそも自分たちではないことに全く気付いていなかった。

遠藤は本当にあのウェディングドレスが気に入ったらしく、簡単に補修させた後、また身にまとっていた。

ステージ上の乱雑な装飾はすでに彼らが片付けさせたが、殴られて歪んだ金色の龍の装飾が両脇に滑稽に飾られたままだった。

来客たちはひそひそ話し合い、ステージ上の二人が一体何者なのか分からない様子だった。

渡辺も耳元で嘆き悲しみ、「俺の店の宝物が!あのデブに壊されちまった!絶対に弁償させてやる!」と言った。

突然、私のスマホにいくつものメッセージが届いた。

送り主は小島だった。

「理佐ちゃん、怪我は良くなった?病院でおとなしく休んでてね、仕事が終わったらすぐに行くから!」

「そうそう、あの遠藤のことだけど、嫁さん本気にしちゃだめだよ!あのデブ、ず
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