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結婚式当日、デブの愛人が2億円のウェディングドレスを引き裂いた
結婚式当日、デブの愛人が2億円のウェディングドレスを引き裂いた
著者: ジンジャー

第1話

結婚式プランナーとして、小島涼の社長の結婚式のプランニングを担当していた。

リハーサル中、社長が冗談めかして私にどうして小島涼と7年間も一緒にいるのに、まだプロポーズされないのかと聞いてきた。

「どうせ今回の結婚式は控えめにやるつもりで、横断幕も飾ってないし。午後はそのまま貸してやるよ、ついでにダブルでお祝いしようじゃないか!」

社長夫人もそれに同調して、「そうよ、私たち午後は用事があって実家に戻るの。夜8時前には帰らないから、涼に話してプロポーズの準備でもさせたらどう?」と言った。

私は自嘲気味に口元を引きつらせ、何を言えばいいのか分からなかった。

最初は毎日のように涼からのプロポーズを期待していたけれど、今ではもう慣れっこになっていた。涼には私と結婚する意思なんて全くないように見える。

社長夫人は私が暗い表情を浮かべているのに気づき、慌てて手を取りながら慰めた。「理佐はこんなに素敵なんだから、涼が結婚してくれないなら無理に嫁がなくていいわ。私の弟を紹介してあげる!」

私は首を横に振り、黙って彼らの結婚式の会場をセッティングし続けた。

涼を愛して10年、彼のそばで尽くしてきてもう7年。別れようと思っても、すぐに決断できるものではなかった。

しかし、社長夫婦が食事に出かけた隙に、自称「涼の婚約者」という女性が突然入ってきた。

少しぽっちゃりしたその女性を私は知っていた。それは涼の同僚で、涼の紹介でこの会社に入った遠藤あおいだった。

彼女に挨拶しようとした矢先、彼女はいきなり私の顔を平手打ちした。

私はその一撃に呆然として、何が起きたのか分からなかった。すると、遠藤はカメラを私の顔に押し付けてきた。

「みんな見て!この恥知らずの女が私の婚約者を奪ったのよ!結婚式まで勝手に準備して涼を結婚に追い込もうとしてるんだから!」

不意を突かれた私は彼女に強く押され、後ろへ倒れ込んで台の上に激しく叩きつけられた。

これは一体どういうこと?

もしかして遠藤は社長と何かあるの?

余計なことはしない方がいいと思い、私は丁寧に宥めた。「遠藤さん、新郎新婦はお互いに想い合っています。何か誤解があるなら、式が終わってから話しましょうよ」

遠藤は私の言葉を聞くと、まるで何かに刺激されたかのように、再び私に平手打ちを食らわせた。

「知らないとでも思ってるの?涼に聞いたけど、結婚式なんて全然知らない!お前、道徳的に追い詰めて無理やり結婚させるつもりなんでしょ!」

頭の中が混乱して、どうしてまた小島涼の話が出てくるのかわからなかった。

その時、遠藤の後ろが急に賑やかになり、何人もの女性たちがカメラを持って披露宴会場に押し寄せ、私を完全に囲み込んだ。

「そうそう、私たちは涼とあおいの愛の証人よ!どこの浮気相手か知らないけど、よくもまあ出てきたわね!無理やり結婚を迫るなんて、恥ずかしくないの?」

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