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第5話

「これはあの男が持ってきた弁当箱です、彼と同じく安っぽいものですよ」

「池宮社長、あなたは知らないですが、どこのスーパーでもインスタントラーメンを買えばこのような弁当箱が付いてくるものです。今の受付は本当に責任感がないですよね。どこのどいつも構わないでみんなを会社に入れてやるんです」

白江はまだしゃべり続けて、由衣の顔色がますます悪くなっていることにも気づいていなかった。

「白江、君はただの秘書だ。会社のルールは君が決めるものじゃない」

この言葉は、由衣が去った後、白江の気持ちをさらに悪くさせた。

彼はすべてを僕のせいにした。

「お前のクソ野郎っ、お前のせいで池宮社長があんなひどいことを俺にぶつけた」

彼の瞳には不気味な光が放っていた。彼は手のひらの薬を見て、そして僕の顔を見て、微笑んだ。

「お前がこの薬を飲んで、みんなの前で発情したら、池宮社長はお前のことをどう思うのか考えてみる?」

僕は体を必死に支え、彼を恐れながら、哀願した。

「僕に何をやってもいいから、その薬だけ触らないでくださいっ……」

話はまだ終わっていないのに、何かが口の中に押さられ込んだ感じがして、すぐにそれが喉から滑り落ちた。

僕の薬、一生懸命研究した薬がこうも簡単に台無しに?

薬がなくなって、僕の心も一緒に死んだ。

彼は今でもスマホのカメラを僕に向けて、僕が発情するのを待っていた。

僕は下唇を固く噛みしめながら、自分に言い聞かせた。死ぬわけにはいかないと。

僕はまだ復讐していない。

白江は冷笑しながら僕の目を見つめた。「お前のその目は本当に嫌だね、その目で池宮社長を誘惑してたでしょ?」

彼はゆっくりと僕に近づいてくる。

「こっそりその目を潰すのが勿体無いからな、みんなの前でやらなきゃ」

「お前がお手本にするよ。今後誰もが池宮社長をお前のように二度と手出しできないように」

次の瞬間、彼は僕の髪を引っ張り、直接会議室からロビーまで引っ張って轢きずらされた。

「この男が池宮社長を誘惑しようとした。そういう夜のための薬も持っていた」

「しかし、皆は俺と池宮社長との関係が知っているはず。今日は俺は愛を守りたい、皆にも池宮社長を誘惑したらどういう目になるか見せてあげましょう」

周囲の人々は寒蝉のように黙った。無言のまま頭を下げて誰も話せなかった。

白江は周り
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