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第 0851 話

作者: 水原信
海咲は分かっていた。自分が清墨にとって特別な存在ではないということを。ただ、少し彼を試してみたかっただけだった。

清墨は穏やかに微笑みながら言った。

「君に人を探させたんだ。見つけた後はもちろん連れて行っても構わない。でも、今は戦乱中だ。この場所にいるのが一番安全だよ」

その声は柔らかく、低く響き渡る。そして何よりも、清墨の視線はずっと海咲に向けられていた。

一方、海咲の背後にいる州平の胸中には、重苦しい感情が押し寄せていた。彼の頭にはただ一つの考えしかなかった。海咲をこの場で抱き寄せ、守り抜きたいということだけだ。

「行こう」

海咲が何かを言う前に、清墨は再び穏やかな声でそう告げた。しかし、
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