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第 0630 話

作者: 水原信
美音を牽制しつつ、彼らは解毒薬を探し続けていた。

「でも夫人が言っていたように、藤田さんだけが彼女のために危険を冒しているわけじゃないですよね。隊長も......」竜二は心の中でどうしても納得がいかなかった。州平がしていることを海咲が見ていないのは、不公平すぎると思えた。

この状況が、彼にはとてもやりきれなかった。

その話題に触れると、州平の眉がわずかに寄った。「俺も、健太が知っているとは思わなかった」

ましてや、彼が一人であんな危険な場所に行くとは全く予想外だった。

「きっと他の方法があるはずです」一峰はそう言いながらも、「ただ、今は夫人にも安らぎが必要ですよ」と付け加えた。

州平は苦笑した
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