第 0199 話

海咲は牛乳を手に取り、まだ温かかった。一口飲むと、甘い味がし、ほんのりとしたミルクの香りがした。

その味は彼女の恐怖を和らげたが、同時に少しの苦しさも感じた。

「少し休んでください」州平はすでに傷の手当てを終えていた。「警察の方は俺が対応します」

彼は海咲を疲れさせたくなかった。この重大な誘拐事件、彼は当然ながら徹底的に調査するつもりだった。自分の休息も構わずに。

海咲は病床に横たわり、しばらくすると人が訪ねてきた。

「咲ちゃん」

「お母さん」海咲は呼んだ。

温井英理は病院に駆けつけ、海咲がベッドに横たわり、首に傷を負っているのを見て泣き崩れ、すぐに彼女を抱きしめた。「温井現の野郎、なんてひど