共有

地震の時、夫は高嶺の花のために自分の子供を捨てた
地震の時、夫は高嶺の花のために自分の子供を捨てた
著者: 瀟湘

第1話

私は折れた足を引きずりながら、子供たちの遺物を集めながら話しかけた。

「泰一、あそこに姉の面倒を見てあげてね、ウルトラマンとプーさん、もうすぐママが泊まりに焼くからね」

その日、川原和馬は浅川梨奈と子供たちを連れて出発しようとしていた。

泰一は廃墟の中に横たわり、鉄筋が痩せた体を貫き、胸から血を滴らせていた。

彼は小さな顔を上げて私に尋ねた。

「ママ、パパはもうすぐ帰ってくるよね」

晴美は「もちろん、私たちのパパなんだから」と言った。

子供たちのこの言葉を聞いて、私は心臓が擦り切れるような気がした。

「川原和馬、目が見えないのか。浅川梨奈とその子供は外相を負っただけだよ。私たちの子供たちはそんなにひどい」

私が言い終わるのを待たずに、川原和馬は赤い目で顔を向け、私を罵った。

「絵里、いい加減にしろ。私はこの記念館の責任者だから、大地震に直面する時、皆を平等に扱うべきだ。泰一や晴美が自分の子供なので、ほかの人を置き去りにしてはいけない」

「梨奈だからって、彼女を見捨てるなんて、嫉妬しても、自分が何をしているのか知るべきだ」

「それに、もうすぐ救助隊が来るんだから、しばらく待ってたら死ぬの。気取ってどうするんだ」

川原和馬は片手で浅川梨奈の子供を抱き、片手で浅川梨奈を支えながら外に向かって歩いていった。

私の傍を通り過ぎるとき、浅川梨奈はドヤ顔で私の方を振り向いた。

私は、今は喧嘩している場合ではないとわかっていた。

子供たちの苦しそうな声を聞きながら、私は自分を奮い立たせた。

「泰一、晴美、う少し辛抱してね、ママがここから出してあげるから」

私は折れた足を引きずり、子供を覆っているコンクリート板を必死に持ち上げようとした。

私は役に立たず、爪が飛んで、血まみれの10本の指ではコンクリート板を半分移動することさえできなかった。

私は周りの人々に跪いて願っており、少し軽傷を負った人々に助けてくれるよう懇願した。

救助隊と群衆による4時間の作業の後、2人の子どもはようやく病院に運ばれた。

泰一は救急室に運ばれる前、まだ私を慰めていた。

「ママ、泣かないで、泰一は痛くないよ」

そう言った後、ずっと血を吐いた。

医師が慌てて出てきた。

「子供はRHマイナスの血液型ですが、お母さんとお父さんは、どちらがこの血液型ですか」

「お父さんです」

「彼に電話して、急いで子供たちに輸血をしに来てください。もしかしたら、この2人の子供のうち1人はまだ生きられるかもしれません」

私は震えながら川原和馬に電話をかけた。

しかし彼の電話はずっと通じなくて、十数回かけてようやく川原和馬が電話を受けた。

川原和馬は私を怒って罵った。

「絵里、なぜ何度も電話してくるの。梨奈がようやく雪ちゃんを寝かしつけたのに、あなたはまた雪ちゃんを覚ました。怯えた子供をなだめるのがどれだけ大変かわかるか」

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status