第6話

「出て行け！浅里はきっとお前を見たくないんだ。あんたには彼女の夫になる資格なんてない！」お義母さんは前に出て、上川大海と山崎葵を外に押しやった。

「お母さん、離して！痛いよ！」山崎葵が眉をひそめる様子を見ると、上川大海は彼女を心配になった。

「母さん、彼女を放して！本当に気が狂ったのか！」上川大海は山崎葵を助け出し、彼女を抱きしめた。

「私の息子なんていない、そんな無慈悲な子を産んだ覚えはない！」お義母さんは怒鳴った。

山崎葵は目に涙をためて、「おばさん、私たちのことを誤解していると思います。私は上川さんの普通の友達です。もし私が嫌いなら、二度と前に現れません」と言った。

再びお義母さんは彼女に平手打ちを見舞った。「ふざけるな！あんたみたいな恥知らずの女を何人も見たことある！台風の日に家でじっとしていなかったくせに、他の人の夫を連れ去るのが、普通の友達だと思っているのか？」

「出国治療中じゃなかったの？どうしたの、海外でうまくいかなかったの？」山崎葵は上川大海を見て悲しげに言った。

「海外から帰ってこなかったならよかった。でも本当にあなたに会いたかった。青春の締めくくりをしたかった。明日また海外に行くから、あなたは浅里と幸せに過ごしてね」

彼女はそう言って外に走り去った。

本当に面白い芝居だなあ。

私はこの荒唐無稽な状況を見て、泣きたい気持ちと笑いたい気持ちが入り混じったが、涙は出なかった。

もしかしたら、あの日の旅行に参加しなければよかったのかもしれない。

それなら今のようなことは起こらず、私は普通に生きていたかもしれない。

上川大海の心には常に山崎葵がいて、私は彼女がいないときの代用品に過ぎなかった。

自分がこの事実を認識するのが遅すぎたこと、そして命を代償にしたことが悔やまれた。

父は私の遺体を連れて行き、お義母さんは言った。「清瀬さん、何か助けが必要なら、いつでも言ってください」

「もういらん。私たちの関係は、今日で終わりだ」父は冷たく答えた。母さんはその場に立ち尽くし、深くため息をついた。「わかりました」

数時間後、私は遺体から骨灰へと変わった。父は骨壺を抱きしめ、泣きじゃくっていた。

「泣かないで、そんな大したことじゃない。墓地は要らないから、私を寝室の棚に置いて。ずっとそばにいると思っていて」

私は父のそばで彼を慰