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凍てつく愛、消えゆく運命
凍てつく愛、消えゆく運命
著者: あかね

第1話

死んでから十二日目、相川岳はついに黒川ひなたを連れて家に戻ってきた。

聞くところによると、彼らは南極へオーロラを見に行ったらしい。思い立ったらすぐに出発するなんて、とてもロマンチックだ。

ひなたは身を縮めていて、まだ南極の寒さから回復していないようだ。

岳は責めるように言った。「君はもともと体が弱いのに、無理して南極に行くなんて。心配でたまらなかったよ」

「ハクション!」ひなたは愛らしく岳の胸に抱かれながらくしゃみをし、満面の笑顔で、少しだけ強がっているように見えた。「全然平気よ!ひなたは元気なんだから!」

岳は優しくひなたの鼻をつついた。

「まったく無理ばかりして!前に冷たい水でお風呂に入って熱を出したときのことを忘れたのかい?」

半月前、私がひなたが入浴中に給湯器を切ってしまい、彼女は水風呂に入った。その夜、彼女は40度以上の熱を出し、危うく助からないところだった。

そのことを思い出すと、岳の目がわずかに陰り、顔には苛立ちの色が浮かんだ。

彼は振り向いて補佐に言った。「ひなたは今夜ここに泊まる。あの女に一言伝えてくれ。もう変な真似をしないようにと」

補佐も彼らと一緒に旅行について行っており、今は二人の散らかった荷物を片付けるのに忙しかった。

その言葉を聞いて、彼は一瞬固まった。「相川社長、奥様はまだ地下の冷凍庫に閉じ込められているようですが」

ひなたは驚いてソファから飛び上がり、口を押さえて叫んだ。「そんなに長い間?死人が出るんじゃないの?」

岳も私を地下室の冷凍庫に閉じ込めたことを忘れていたようで、顔に一瞬驚きが浮かんだが、ひなたの言葉に笑ってしまった。

岳は冷たく笑った。「あの女はとてもずる賢いし、おとなしく罰を受けるはずがない。とっくにこっそり抜け出したに違いない」

そうかしら?

私は自分が空中に浮かぶ虚ろな影を見つめ、少し自嘲気味に笑った。

もし彼が人に命じて鉄の鎖で冷凍庫を封じていなかったら、私は何とかして逃げ出したかもしれない。

何しろ私は本当に生き延びたかったのだから。

しかし岳はそのとき、私を怒らせるために別荘の全ての使用人を連れて彼らのデート行に同行させた。

「嵐、君に自分の立場をはっきり認識させてやる。君の僕の中での地位は、使用人以下だ」

「おとなしく家で罰を受けて、ひなたとの違いが分かったら出てきてもいい」

本当に滑稽だ。誰も助けてくれないのに、どうやって出てこいというのか。

彼らはこの出来事をすぐに忘れ、またソファでいちゃつき始めた。

補佐が少し慌てて駆け下りてきた。

「相川社長、嵐様が…家出したようです。家の中に彼女の姿はなく、部屋の物もそのままです」

岳は面倒くさそうに手を振った。

「彼女は僕が以前のように馬鹿みたいに探しに行くとでも思っているのか?帰りたくないなら、永遠に戻ってくるな!残った物はちょうどひなたに使わせればいい!」

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