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第7話

その瞬間、私は一気に酔いが覚めた。

「今日、美月さんはあんなに薄着で、あんたを誘惑したいのかしら?」と綾香が甘い声で嘲笑した。「彼女に触った?」

「心配しないで、俺は何年も彼女に触れてない。いまさら触るなんてあり得ないよ?」夫は嫌悪の表情で言った。「彼女は地味すぎて、欲望が全く湧かない。君の方がおしゃれだからね!」

私は口を押さえ、声が出ないように静かにした。

だから夫はどうしても私に触れようとしなかったのは、私が地味で嫌だからか。

綾香は不満げに言った。「早く彼女と離婚して、私たち堂々と一緒にいられるようにしてよ」

夫は首を横に振った。「だめ、店ではまだ彼女に頑張ってもらわないといけないんだ」

綾香は顔をしかめ、口をきかずに、夫を身から押しのけた。

「ベイビー、俺の言いたいことはね、彼女が店で働いてくれなきゃ、どうやって君にお金を使わせることができるんだ?もちろん君に使うために、あの女にお金を稼がせるんだよ」夫が彼女に甘えるように言った。

綾香は、ようやく顔色を和らげた。

この瞬間、私は唇を強く噛み締めて、目の前のこのクズ男女にどう対処すべきかわからなかった。

もしこのまま突っ走ってしまったら、間違いなく夫と離婚することになるだろう。

さっき夫があのクソ女に言った言葉を聞いて、私は確信している。私が何をしても、いい結果にはならないだろう。

私はただ、見て見ぬふりをして、ゆっくり対策を考えるしかなかった。

ベッドに戻った時、私はすでに涙が頬を伝っていることに気づいた。

だから夫が私にこんなに冷たかったのか、外で女を引っかけていたんだな。

あの言葉通りだ、家に帰ってきてお腹が空いていないなら、外でしっかり食べてきたってことだ。

私はずっと伝統的な考え方をしてきて、夫を自分の天のように思っていた。

思いもしなかった。彼は私を裏切り、さらには私を欺いて、二人で必死に働いたお金で他の女を養っていた。

その晩、夫は部屋に入ってこなかった。私はいつの間にか涙が尽きて眠ってしまった。

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