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第10話

その時、ドアが突然開き、息子が目を見開いてドアの前に立っていた。

彼は怒りの表情で言った。「母さん、吉野、お前たち一体何をしているんだ?」

私はすぐに吉野と離れ、心の中はすでに混乱していたが、顔には冷静を装って言った。「足をくじいたの、だから吉野くんに揉んでもらっていた」

「そうよ。おばさんが足をくじいたんだから」吉野も冷静を装って言った。

しかし、声にはまだ少し震えが残っていた。

息子は明らかに信じていない様子で、目を赤くしながら言った。「足を揉むのに、どうしてそんな抱きしめたりするんだ?父さんは?なぜ父さんにやらせなかった?」

「翔太、私を疑っているの?それとも、あなたは、私があなたの母親として、あなたの同級生と何かできるって思う?」私は真剣な顔で言った。

息子は眉をひそめたが、もう何も言わなかった。

おそらく彼は私が言ったことに納得したから、吉野を引っ張って部屋に行き、ゲームをし始めた。

私はドアに耳を当ててしばらく聞き耳を立てた。二人がゲームをしていることが確認できて、ようやく安心した。

その間、私は息子の部屋におやつを持って行った。

吉野はあまりにも気まずそうに、私を見ようとしなかった。

深夜になると、私は待ちきれずに心が痒くなってしょうがなかった。満たされなかった欲望が私を一晩中苦しめた。

吉野がようやく起きてトイレに行き、私の部屋から聞こえてくる音を耳にした。

私は静かに泣いている。

部屋のドアはわざと半開きにしていた。目的は、彼に見せるためだった。

息子はあまりお菓子を食べない。私が用意したお菓子はすべて塩分が多いもので、吉野が寝る前にたくさん水を飲んだことを知っていたので、彼が夜中にトイレをしに起きるだろうと思っていた。

彼はドアの前でしばらく立っていたが、最終的には部屋に入ってきた。

私の夫がいないのを見て、彼は「何で泣いているんですか?」と尋ねた。

彼を見た瞬間、私はまるで命の綱をつかんだかのように、自分の弱さをすべて彼に見せたいほどだった。

今回は、私はわざと夫の浮気のことを告白した。話の最後には自分に魅力がないせいだと言って、夫さえも留められなかったと自分を責めた。

吉野もまさかこんなことになるとは思っていなかったようで、逆にどうやって私を慰めていいか分からなくなっていた。

彼はしばらく口ごもって
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