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第181話

昇はまだ葵に希望を抱いていた。辰夫の手先に連れて、葵を騙しに教えた場所についてから分かった。

芝生で待ち伏せた警察を見て、車に乗った昇は信じた。

「ほら、この女は君を助けようもしなかった。返って君をずっと利用してきたんだ」見張っていたボディーガードが言った。

昇は首を横に振った。「ありえない、彼女の電話が監視されたはずだった!」

今時にこの愚か者がまだ事実を受け入れようとしなかった。

ボディーガードのミッションは、この男に葵の本性を知ってもらうことだった。彼はまだはっきり見えないので、しばらく続くことになった。

車が離れ、昇を逮捕しに来た人々も何の獲物も取れなかった。

葵は昇がきっと逮捕されると思ったが、再び逃げられたとは思わなかった。

彼女は心配して、どうすればいいか分からなくなった。

牡丹別荘。

紗枝が退院して戻ってから、唯から電話をもらった。

耳に最初に入ってきたのは、景之の心配そうな声だった「お母さん、最近はどうでした?」

唯と景之に自分の交通事故について決して教えないよう辰夫に伝えた。

だから、景之と唯は交通事故のことを知らなかった。

「うん、悪くはないよ」紗枝は優しく答えた。

それから、景之を聞き返した。「学校はどう?いたずらしてない?唯おばさんに迷惑かけたの?」

景之は真剣に回答した。「お母さん、僕はもう3歳児じゃないですよ」

乱された部屋と法律文書を暗唱している唯を振り向いて景之は心に嘆いた。

お母さんが知らないが、僕は唯おばさんの面倒を見ているよ。

そして、唯おばさんは本当に馬鹿げているね。

景之はそう思った時、唯の視線にぶつかり、法律の基礎知識を持っている唯がへへと彼に向って笑った。

「…やっぱりだね」馬鹿げた。

しばらく話をして唯に変わってもらった。

唯の前に歩き、しぶしぶと彼女に電話を渡した。

「お母さんが話したいって」

「わかった」

唯は本を片手で持って、片手で電話を受け取った。

「紗枝、景之のことを心配しないで。彼はとても元気だ。君は知らないが、今、幼稚園の子供たち全員が彼の言いなりになったの…」唯いちいち景之が最近学校での出来事を話した。

紗枝は静かに耳を傾けていた。

二人の子供のそばに居られなくて、彼らの成長を見届けなくて、彼女は少し罪悪感を感じていた。
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