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第6話

「......なんだと?

玲奈が?ずっと俺を騙してたってことか?本当は何も病気なんかじゃなかったのか?」

小姑の夫が信じられないといった声で聞き返してきた。

「そうよ。子供を産みたくないからって、わざと嘘をついたのよ」

私はそう言って、にっこり笑いながら、小姑に「泥をかぶせる」絶好のチャンスを逃さなかった。

案の定、私の言葉を聞いた小姑は、すぐに動揺し始めた。震えた声で、必死に夫へ釈明を始める。

「ちょ、ちょっと待って、あなた、そんなデタラメ信じないで!私があなたに子供を産みたくないなんて、そんなはずないでしょ!」

「パシッ!」

「ならさっさと説明しろ!一体どういうことだ!」

怒りを抑えきれない小姑の夫が、一発平手打ちを食らわせ、怒鳴り声を上げた。

「い、痛い......!私......私、昔から痛いのが怖くて、正直、子供を産むのが怖かったの......だから、ほんのちょっとだけ嘘をついただけなのよ。

でも、ずっと真心であなたのことを愛してたわ!信じて!」

小姑が泣きながら必死に弁解しているのが電話越しに聞こえる。

「ふざけるな!痛いだと?子供を産むのが嫌だって?そんなに嫌なら今すぐ離婚だ!」

「いや!私は離婚なんてしたくない!

それに、昨日だって......もしかして、もう妊娠してるかもしれないじゃない!あなたが欲しいのは子供でしょ?それなら、母さんにだって......」

「パシッ!」

またもや平手打ちの音が聞こえ、小姑の夫が怒鳴り声を上げる。

「どうしてお前が言い切れるんだ?腹の中のガキが本当に俺の子だって!

だいたい、昨日の混乱の中じゃ、お前のバカ兄貴の子かもしれないだろうが!」

「パシッ!」

「うううっ、絶対に違う!あなたの子に決まってるじゃないの......!」

電話越しの口論と罵倒の声が耳に刺さるように響いてくる。

あぁ、もう、こんな奴らの痴話喧嘩に付き合ってる暇なんてない。私はこの腐った一家と一切関係を持ちたくなかった。

そのまま電話を切ると、早速弁護士に連絡して、離婚の手続きを依頼した。この薄情な夫と、卑劣な一家になんて、一瞬たりとも時間を割く気はない!

私の事情を知った親友は、私の手をぎゅっと握りしめ、怒りを滲ませた顔で言った。

「やっぱりね、前から思ってたのよ。あんたの旦那、絶対まともな奴じゃな
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