Share

第2話

「お、お前......この畜生が!何を言ってるんだ!」

姑は顔色を青くして、私の鼻先に指を突き出しながら罵ってきた。

「パシッ!」

夫が怒りに任せて私の前に来ると、手を振り上げて頬を思いきり叩いた。

「このクズが!母さんに子供産ませる?そんなのありえないだろうが!」

私は赤く腫れた頬を押さえながら、憤りをこめて反論した。

「どうして無理なの?あんたが言ったんでしょ......『女は子供を産むために生まれてきた』って!

私じゃなくて、義母さんに産ませればいいじゃない!」

夫はさらに激高し、私の首を強く絞めあげ、赤く血走った目で怒鳴りつけた。

「てめぇ、こんな口ききやがって!

言っておくが、子供を産まねぇなら、俺が殺してやるからな!」

首を絞められ、息ができなくなる寸前だった。目の前の彼の醜い顔を見ながら、心の底から憎しみが湧き上がる。

このクズは、小姑の夫に媚びるために、自分が頭を下げるどころか、私を捧げることさえ喜んでやっていたんだ!

私が泣き叫んでも、「聞き苦しい」と言っては殴られ、「もっと楽しそうに叫べ」と強制してくる。小姑の夫の「興を削ぐな」って理由だけで。

「もっと色っぽく声を出せないのか?あの時みたいにさ......なぁ?」

そんな私を見て、小姑が横で冷笑を浮かべながら言うのだ。

「私の旦那さんに子供を産んであげるなんて、咲、あなたには光栄なことじゃない?」

彼ら全員にとって、私はただの道具にすぎなかった。小姑の夫を喜ばせるための、ただの『道具』!

でも、やり直したこの人生で、絶対に彼らを許しはしない!この代償は払わせてやる!

その時だった。小姑が急に私の前に走り寄り、夫をぐいっと押しのけた。

「お兄さん、そんなことしちゃダメ!お姉さんが嫌がってるんだから、もういいじゃない!」

そう言いながら、小姑は夫に目配せをした。夫はその意図を察して、すぐに手を引いた。

私は冷ややかに笑う。

前の人生でも、彼女はこんなふうに私をかばっている「フリ」をしていたんだ。

当時の私は、「小姑が良心に目覚めた」と思い込んでいたけれど......あの直後、彼女は私に薬を盛り、結局、夫のベッドに送り込んだのだった。

案の定、また同じ手だ。

小姑は私の手を取り、演技を続けるように謝罪の言葉を口にする。

「お姉さん、ごめんなさい。今日は私たちが悪かったわ。

今夜はごちそうを用意するから......仲直りの一杯を、どう?」

私は冷めた目でその芝居を眺め、真実を明かさず、笑顔で頷いて見せた。

ただ、そのあと買い物に出た際に、私はこっそりと獣医店へ寄り、大型家畜用の強力な繁殖剤を二本手に入れておいた。

子供を産みたいって言ったのは、あんたたちなんだろう?

Related chapters

Latest chapter

DMCA.com Protection Status