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第3話

料理ができあがり、私は主賓席に座らされた。

こうしてこの席に座っていると、なんだか別の世界に来たような気がした。

前の人生でも、私はこの席で奴らに陥れられたんだ。だけど、今世では二度と好きにはさせない!

彼らの醜い笑顔を見つめながら、私は心の中で冷たく笑う。

さあ、すぐに「お楽しみ」の幕開けだ。

案の定、夫がまず口火を切ってくる。

「で、考えたのか?子供を産むくらいで、何を渋ってんだ。

いいか、もし承知しねぇなら、ただじゃおかねぇからな」

陰険な目つきで私を睨みつけてきた。きっと私が断れば、その手がすぐさま私に飛んでくるんだろう。

そこに小姑の夫が手を振って割り込んだ。メガネの奥で微笑みを浮かべ、私に向けて言う。

「お姉さん、そんなに気負うことはありませんよ。こんなこと、大した話じゃないんです。

それに安心してください。もしあなたが承諾してくれれば、うちの子には最高の生活を約束しますから」

熱っぽい視線を私に向け、その目には露骨な欲望が宿っていた。私が小姑よりも見た目が良いことを、奴は前から知っていたのだ。今という好機を見逃すはずがない。

姑がそっぽを向き、嫌味な口調で言う。

「ほんと、あんたの頭ってどうなってんの?どっちみち産むなら、誰の子でも同じじゃない。

これだけ条件がいいなら、私だったら......」

小姑が慌てて姑を遮った。

「ちょっと、母さん、何を言い出すの!

約束したでしょ。お姉さんが嫌なら、無理強いはしないって」

私は冷笑を浮かべた。こいつの演技は相変わらずだ。

口では「お姉さんのため」なんて言いながら、その裏ではこっそり薬を盛る気満々だ。

もっとも、私がそれを飲む前に、もう仕込みは済ませてあるんだけどね。

「お姉さん、今日はごめんなさい。このお詫びに一杯どうぞ」

小姑が酒を差し出してきた。私は微笑んで杯を取り、奴らが見守る前で、ゆっくりとそれを飲み干した。

小姑は酒を置き、私の夫をちらりと見やる。

「お兄さんも、罪滅ぼしに一杯どう?」

「わあったわあった、もういい!」

夫は不機嫌そうに杯を煽り、次に小姑は姑へと視線を移す。姑は露骨に嫌そうな顔をしながらも、一杯飲み、つぶやいた。

「たかが子供を産むだけなのに、何が大袈裟な」

小姑の夫もまた微笑みながら杯を差し出してきた。私は薬の効果を高めるために、もう一杯彼らに返杯した。

満足そうに、奴らが私を見つめて笑う。まるで獲物を狙う猟師が、仕留めた相手をじっと見据えるような目で。

だけど、笑っているのは私も同じだった。

同じ目つきで、彼らを見返しながら......

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