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第3話

画面の中で、姉はスマホを取り出し、病院内で撮影された動画を見せ始めた。そして次に、DMの画面を開いた。

相手はこう言っていた。「お前が2000万円をくれれば、もうネットで攻撃しないよ。さもなければ、ほかの患者たちと一緒にお前を潰してやる!」

明日香は返信した。「私にそんなお金はないよ。これまで稼いだお金は全部、困っている家庭に寄付しちゃったんだから」

しかし相手は続ける。「広告1本で数百万円稼いでるじゃないか。2000万出さないなら、もっとひどい目に遭うぞ。これまでの攻撃はほんの序の口だ」

明日香は毅然として答えた。「私はネットの皆さんが真実を見抜いてくれるって信じてるわ。だから怖くなんてない!」

コメント欄の攻撃的な言葉は徐々に減り始めた。

「そうだよね、これまでの明日香の動画って正直でいい人って感じだったもんね」

「でも、ほかの人にがんで死ぬという呪いをかけるなんて、がんのせいでどれだけの家庭が壊れたと思ってるんだよ!」

明日香は涙ぐみながら続けた。「そう、その日は私も感情的になりすぎて、呪いの言葉を言ってしまったの。

でも、私があの言葉を言う前から、彼らの家族は既に病気だったのよ!私が何も言わなければ、病気が治ったとでもいうの?」

「確かに、明日香のことを信じている!誰にだって間違いを犯す時はあるよね」

私はコメント欄を開いて、こう打ち込んだ。「そのチャット記録が本物だってどうやって証明するの?」

画面の中で明日香は、一瞬表情を曇らせた。「もしかして、あなたもお金を狙ってる病人の一人?」

明日香のファンからも、私に対する嘲笑のコメントが続々と流れ始めた。

私はさらに続けて、「さっき見せた動画のアカウント、投稿はたった一つでフォロワーもゼロ。どう見ても新しいアカウントだよね?」

明日香は鼻で笑って返答した。「誰が本垢で脅迫なんかするっていうの?」

私は再び返した。「もしサブアカで脅迫するつもりなら、どうしてわざわざ病人だと証明するために動画を投稿するんだろう?

それとも、そのチャット記録で私たちを騙そうとしてるの?」

明日香は焦りを見せながらも言い訳を続けた。「相手がどういう手を使うか、私にどうしろっていうのよ!」

私はさらに攻めた。「そのアカウントのIPアドレス、あなたとは同じ場所だけど。もし本気で脅迫するなら、直接家に来
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