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第4話

指導員と校長先生が、一瞬で私を見る目つきが変わった。

違法な電化製品を使って火事を起こすのと、故意に放火するのでは全然違う。

夏美はとことん悪質だ。たった数言で、全部の責任を私に押し付けようとしている。

「違う!この電気鍋は夏美のものよ!」

私は反論した。

「陽甜、私に不満があるのは分かるけど、だからって寮を燃やすことはないでしょ?」

夏美は演技モードに入ったようで、涙を流しながら指導員に謝り始めた。

「先生、私にも責任があります。彼女が電化製品を使っているのを止めるべきだったんですけど、同じ部屋だから黙って見てしまって……本当にごめんなさい。私、罰を受けます」

その演技には思わず笑いそうになる。まるで舞台女優みたいに悲劇のヒロインを演じていた。

指導員は彼女の言葉を鵜呑みにしたのか、私に向かって厳しい口調で言った。

「陽甜、学校が寮での高出力電化製品の使用を禁止しているのは知ってるわよね?あなたの行為がどれだけ大きな損害をもたらしたのか、分かってるの?」

私は反論するしかなかった。

「先生、あの二人がこの鍋が私のだって言って、私のものになりましたか。この鍋はもともと夏美さんのものなのです。今日、私はちゃんと寮監のおばさんに夏美のことを通報しに行きました!」

私が堂々と話すと、指導員と校長もすぐには判断できなかったみたいで、寮監のおばさんを呼んで確認することになった。

すると、前世と同じく、寮監のおばさんは私を指差して言った。

「この鍋はこの子のものよ。夏美のじゃないわ。私は今までに彼女の電化製品を何度か没収してるから、知ってるのよ」

この言葉を聞いた夏美と星雅は、心底嬉しそうに笑みを浮かべた。

指導員は私に厳しい顔で言った。

「陽甜、あなたには本当に失望したわ。まさかこんな嘘をつくなんて……君のお父さんは消防士だって聞いてるけど、君は彼に恥をかかせているわね」

私は焦って言い返した。

「違います!この鍋は本当に私のじゃないんです!この寮監のおばさんと夏美が結託して、わざと私に罪をかぶせようとしてるんです!」

「もういい!」

今まで黙っていた校長がついに口を開いた。彼は怒りに満ちた目で私を見つめながら言った。

「なぜ彼女たちが君に罪をかぶせる必要があるんだ?そんなことをする理由がないだろう!君はただの生徒だ、自分の過ちを
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