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第4話

山本拓郎は不本意ながらもお金を振り込んでくれたが、なお私に必ずちゃんと処理してもらうように注意を付けてくれた。

私は意図的に一週間遅らせたので、山本拓郎はとうとう我慢できなくなり、私に連絡をとってきた。

「姉、年金保険の件、どうなった。何か進展はあるの」

「もし本当に難しかったら、姉は、お金を戻ってくれればいい、やめても構わないよ」

これはいけない。もともと返すべきお金は戻るはずがない。

「拓郎、もう少し我慢して。これは簡単ではないとわかるだろう、もう一度催促してみるよ」

「もしお金をもう少し出せば、もっと早く処理できるかもしれない」

そのように、私はまた山本拓郎から十万のお金をもらった。

それでも、山本拓郎がおばあちゃんから騙ったお金に比べれば足りない。

また一週間山本拓郎を無視してから、ようやく彼に用事が解決したと連絡を取った。

「拓郎、あなたの年金保険の件はようやく解決した。今はただサインをしてくれればいい」

私のメッセージを受け取って、山本拓郎は非常に嬉しくて、すぐに返事をくれた。

「はいはい、いつもの場所で会おう」

私は人身傷害保険の契約を持って、いつもの場所に行って山本拓郎に署名をさせる用意をした。万が一彼は酔って死んだら、お金を全ておばあちゃんに残せるように祈っているのだ。

山本拓郎は酔っぱらいが、馬鹿ではない。なぜこの保険にサインをさせるのかも驚いている。

「姉、この保険は違うだろう。私は年金保険に加入しないじゃないか。どうして人身傷害保険に変わったの」

私はとても心配そうに装って、「拓郎、これは息子の友人が特に要求したからね。この契約をサインしてやってこそ、年金保険を加入できるのだ」

「さもなくば、もし何かあったら、返してくれと要求したら、無駄な労力をかけたじゃないか」

山本拓郎は迷っており、サインをしたくなくて、顔色も重くなった。

「じゃあ、拓郎、もし他人を信じないなら、受益者に私の名前を書いてくれ。私たちが結婚するつもりだから、絶対にあなたを害さないよ」

「息子の友人だから、よく知っているね、受益者に私の名前を書いても構わない」

山本拓郎はあまり乗り気ではなさそうだったが、年金保険と年金の詐欺の誘惑に駆り立てられて、署名をした。

今、山本拓郎をおばあちゃんのそばから離れてもらうだけでなく、彼をこの世か
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