無人島で愛娘を失う
夫の佐藤晴が元カノの田中ゆりと無人島の資源調査に行くことになった。
田中ゆりは私の娘のあいこを連れて行きたがり、こう言った。
「鈴木さん、ご心配なく。あいこちゃんと晴さんのことは私がしっかり見させていただきます」
翌日、佐藤晴は発疹だらけのゆりを連れて帰ってきたが、あいこは島に置き去りにされていた。
すぐに警察に通報して島に向かおうとした私を、佐藤晴は床に突き飛ばした。
「お前の育て方が悪いんだ。ゆりがマンゴーアレルギーだと知っていて、わざと食べさせたじゃないか!
もう六歳なんだ。一晩くらい島で過ごせば、いい経験になるはずだ!」
その後、あいこが海で溺れて亡くなっているのが見つかった時も、佐藤晴は田中ゆりの側にいた。
私は狂気に駆られた。「あいこを奪った二人を、絶対に許すわけにはいかない!」
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