月曜日の魚と恋をする方法
「この魚、私を見てます」
水族館で働く水無月透は、魚の視線が分かる特殊な能力を持っていた。しかし人間とは深く関われず、孤独に生きてきた。ある水曜日、同じ能力を持つ女性・七海と出会う。彼女の左手首には、濡れた包帯。その下に隠されていたのは――青緑色に輝く、魚の鱗だった。
「私、週に一度、魚になるんです」
月曜日ごとに体が変態していく七海。やがて彼女は完全に魚になることを選ぼうとする。言葉では想いを伝えられない透は、不合理な決断をする――「俺も魚になる」と。
境界を生きる者たちの、切なくも温かい恋物語。
「土曜日の魚は恋をしない。でも、水曜日の君となら、永遠に恋ができる」