クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!
紗雪はかつて母親と賭けをした——もし加津也が自分を愛したら、彼との恋を成就させると。彼が控えめで芯の強い女性を好むと知り、彼女は貧しい女子大生を装い近づいた。
しかし、彼が抱き寄せたのは初恋。冷ややかに彼女を嘲笑いながら、彼は言った。
「お前みたいな成金趣味の貧乏人が、初芽と比べられると思うのか?」
完敗を喫した彼女は、やむなく家へ戻り、億万の財産を継ぐことになった。
それから時が経ち、
彼女は数億円のオートクチュールを纏い、権力と名声を誇る「禁欲の男」と噂される男性の手を取る。華やかな姿で再会したとき、ようやく加津也は後悔を知った。
彼はSNSで堂々と告白する。
「俺はずっと芯の強い特別な女性を愛していると思っていた。でも紗雪、君と出会って初めて、『愛には例外がある』ということを知った」
しかしその夜、決して公の場に姿を現さなかった華原家の若き御曹司が、一枚の写真を公開した。それは長年大切にしまわれていた一枚。
写真の中の少女は、自由奔放で眩いほどの輝きを放っていた。
彼は紗雪の手をしっかりと握りしめ、こう宣言する。
「二川さん、君は俺にとって例外じゃない。君は俺の朝も夜も思い焦がれる人。そして、ずっと前から心に決めていた人だ」