豪華な夢、現実は崩壊
俺は病院で取り違えられた豪邸の真の跡取りだった。
だが、ようやく自分の家に戻れたと思った矢先、家が突然破産したと告げられた。
豪邸は差し押さえられ、俺と両親、妻は路頭に迷った。
両親は激しいショックで倒れ、一人は半身不随に、もう一人は亡くなった。
妻は借金取りに足を折られ、息子は恐怖で心を閉ざし、知的障害を負った。
高額な医療費をまかなうため、俺は幾つものアルバイトを掛け持ちし、犬のように働き続けた。
そんなある日、俺は代行運転の仕事を引き受け、星付きホテルの宴会場へ向かった。
金婚式のパーティー会場で、抱き合って口づけを交わしていたのは、死んだはずの母と半身不随だった父だった。
さらに、会場で社交ダンスを踊っていたのは、足を折られたはずの妻。
外国の子どもと流暢な英語で話していたのは、知的障害のはずの息子だった。
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