偏愛の金ブレスレット
娘と甥っ子のお宮参りの宴でのことだった。義母は嬉しそうに金のブレスレットを二つ取り出し、こう言った。
「可愛い孫娘と孫息子にひとつずつね。月音、私がえこひいきしてるなんて言わないでよ」
義母は孫たちにブレスレットをつけたが、娘に異変が起きた。つけてからわずか30分も経たないうちに娘は激しく泣き始め、手首には赤い湿疹が広がったのだ。
私は急いで救急車を呼ぼうとしたが、義母は私の腕を掴み、「私が悪いと言うつもり?」と声を荒らげた。そのせいで救助が遅れ、娘は私の腕の中で息を引き取った。
目を覚ますと、私は再びあの日の宴に戻っていた。そして、今度は毅然とした態度で心に誓った。
「こんな素晴らしいもの、あなたの大切な孫に譲ればいい」
122 DibacaCompleted