俺の名前は竜胆白緑。 竜胆はそのまま読んでりんどう、白緑と書いてみどりだ。見習い魔女をやっているれっきとした男。 きっとこの世界の人たちからすると、男が魔女だなんて意味が分からないと言うだろう。でも俺はこことは別の世界から来た。だから男でも魔女と名乗るのは普通のことなんだ。 でも、大きな問題があった。 この世界には俺の力の根源である魔力が微々たる量しか存在しない。そして魔女は別の力を根源としているということだ。さらに魔女は完全で強烈な女社会。 別に自称フェミニストや過激派ポリコレなる脳みそバーサーカー気味の魔物が男を排除しているわけじゃない。と思いたいが実際はどうなのだろう。未だ分からない。とにかく男が魔女とバレようものなら恐ろしい目に遭わされるだろう。 とは言ったが実は性別に関しては対処済み。俺は種族的な素質でほぼなにも消費せずに変身ができる。問題はやっぱり魔女の根源たる力。そのせいで俺はずっと、ずっとずっとず~っと見習い魔女から抜け出せない。 見習いなど一〇を数える辺りでさらりと卒業するのが当たり前にもかかわらず。 気が付けば今年――四十六歳。 少年時代、運良く優しい両親の養子になり国立の女子大まで通わせてもらったのに、卒業後はずっとバイトと魔女の修行で稼ぎはほぼ無し。ゴキブリにストーカーされるし、カナブンやカブトムシがライバルとか言われるし……あ、ああああ……このままじゃ、このままじゃ駄目だぁぁぁぁ!
Terakhir Diperbarui : 2025-03-16 Baca selengkapnya