星野汐里はためらうことなく、きっぱりと部屋を出て行った。榊原時雨は神宮寺悠人の腹に思い切り蹴りを入れた。「邪魔するな!」ドスン!神宮寺悠人はよろめき、テーブルにつかまった。食器やグラスが倒れた。小林健太と田中一真が止めに入った。榊原時雨を引き留め、「榊原さん、悠人も君のことを思って言ってるんだ。二人とも頭に血が上ってるんだから、喧嘩してもろくなことにならないぞ」神宮寺悠人は体勢を立て直し、服の乱れを直しながら言った。「放してやれ。彼が暴れたいなら、付き合ってやる」榊原時雨は冷笑した。「ふん、よほど気に入ったようだな」神宮寺悠人は、星野汐里が他の男と食事をしているのを見て、もう隠しておくことはできないと思った。彼は一度チャンスを逃している。今度は逃したくない。彼はわざと星野汐里を呼び、榊原時雨に宣戦布告するつもりだったのだ!「ああ、汐里に気があるさ。俺は、お前よりもずっと前から、汐里が好きだった」神宮寺悠人は、長年心に秘めていた想いを打ち明け、まるで憑き物が落ちたかのように晴れやかな顔になった。もう隠す必要はない。小林健太は言葉を失った。田中一真も言葉を失った。二人は驚愕した。これは大変な話だ!榊原時雨も一瞬言葉を失った。神宮寺悠人は言った。「初めて彼女に会った時から、俺は汐里が好きだった。でも、あの頃は臆病で、告白する勇気がなかった。やっと覚悟を決めて告白しようとした時には、既に汐里はお前と付き合っていた。お前が汐里を本当に好きで、汐里もお前を愛しているのが分かったので、俺は諦めた。お前たちが結婚するまで、俺は心から二人を祝福していた。友人として、これ以上できることはないと思っていた」榊原時雨の顔は青ざめた。神宮寺悠人は嘲笑した。「汐里はお前と結婚するために、自分のキャリアを捨て、お前のために尽くしてきた。なのに、お前はどうだ?成功したら、他の女に乗り換えるのか?」榊原時雨はついに我慢の限界に達し、小林健太と田中一真を振り払い、神宮寺悠人に殴りかかった。神宮寺悠人も反撃した。榊原時雨よりも強い力で、「俺は、汐里が愛する男と結婚して、幸せになると思っていた。なのに、お前はどうだ?よくも俺に手を出せるな!」ドタバタ!ガチャーン!個室の中は大混乱になった。エリートの
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