夫の中村和也は、人前では紳士的な教授だった。家の米袋も持てないくせに、画面の中では真っ白な足を肩に担ぎ上げ、荒々しく動いていた。画面の中の私に対していつも厳しい唇は、彼女の高く上がった首筋に沿って優しく舐め回し、大切なもののように。まったく七十歳の年齢には見えなかった。「お母さん!陽太ちゃんを連れて何をしてるの?!」仕事から帰ってきた嫁は声を聞いて顔色が変わり、孫を抱いて行こうとした。私は我に返り、感電したように動画を消した。嫁は私を睨んで、非難の色が顔に表れていた。「田舎出身だから、考え方が古いと思っていたけど、この年になってまだそんなに......お義父さんはあんなに上品な人なのに......」彼女は「は」と言って、嫌な顔をして子供を抱いて部屋に戻った。しかし私の頭の中はまだ先の大きなショックでいっぱいだった。動画の中で中村和也が汗を流していた場所は、彼の教職員寮だった。家で子供がうるさいから、そこで研究をする習慣があると言っていた。また、寮は学校のものだから、鍵を私に渡すのは不便だと言って、私が掃除に行く前に必ず彼に知らせて、彼が鍵を開けてくれるようにしていた。彼らが寝ていたシーツは、私が三日前に新しく替えたものだった。嫁は教授のお義父さんが私に困らされることを心配しているが、私と中村和也が結婚してこれほど長い間、彼は一度も私に触れたことがないことを知らなかった。突然焦げ臭い匂いがしたら、台所で煮込んでいたスープを思い出した。慌てて火を止めに行ったが、熱々の蓋から出る湯気に手をやけどして、水ぶくれができた。中村和也は出身地の習慣とは違って、お粥は飲まずにスープだけを飲むのだった。しかも土鍋スープが飲みたがっていた。土鍋は直火で、少なくとも三時間は煮込まなければならないので、私は台所で何十年も煮込んできた。今、土鍋の蓋が床に落ちて、私の半生のように砕け散っていた。息子の中村樹が家に入って、靴を脱ぐ前に言った。「母さん!こんなに焦げ臭いの、感じないの?毎日これだけのことでもうまくできない。お父さんだけが、こんなに長い間あなたを我慢できるんだ!」昔、中村和也は怪我をしていて性的に不能だと言っていた。もともと結婚するつもりはなかったので、子供を引き取って育ていた
Huling Na-update : 2024-10-30 Magbasa pa