佐々木唯月はそれを聞いて感激して言った。「唯花、結城さんって良い人ね。あなたの目は確かだわ。毎回私たちが困った時、彼はいつもあなたの傍にいて、離れず諦めないよね。お金や労力も惜しまないし。彼と仲良く過ごしていくのよ」内海唯花は「お姉ちゃん、わかったわ」と言った。彼女がもし結城理仁とは半年という期限付きの結婚で、ただ法律上の夫婦であるだけなのだと姉に教えたら、きっと悲しむだろう。このことは、今は姉には教えないでおこう。「唯花、お姉ちゃんの結婚生活を見て結城さんも俊介と同じようになるだなんて思わないでね。彼は口数は少ないけど、誠実な人だと思うわ」「お姉ちゃん、そんなふうに考えないから安心して」佐々木唯月は自分のこの結婚生活が妹の心理や結婚に影響しないか心配していた。佐々木唯月の目には、結城理仁はとても良い男性として映っていた。妹にも本当に良くしてくれている。でも、これからどうなるのかもしっかり見ておかなければならない。以前、佐々木俊介も彼女に同じように良くしてくれていただろう?結城理仁は自分のオフィスに着くと、アシスタントを通して九条悟に来るように連絡しようと思っていたが、ちょうどその九条悟がドアをノックして入ってきた。「社長、これが君が欲しがってた証拠だ」九条悟は彼のもとへやって来ると、大きな封筒を結城理仁の目の前に置いて、そこに座り言った。「証拠は全てこの中に入っているよ。佐々木俊介の浮気相手は彼の秘書である成瀬莉奈という女だ」結城理仁はその大きな封筒を持ち上げ、中に入っている証拠を取り出した。成瀬莉奈はまだ佐々木俊介をじらし続けていて、二人はまだホテルで一夜を過ごしたことはない。全て一緒にショッピングしたり、食事をしたりしている写真ばかりだ。あとは抱き合っている写真だ。それから、成瀬莉奈の情報と佐々木俊介が彼女に今までいくら使ったかという証拠だった。九条家の情報網は流石だと言わざるを得ない。佐々木俊介が成瀬莉奈に贈った物、毎回プレゼントしているものは何なのか、いくら使ったのか、いつ彼女に買ってあげたのかなど、全ての証拠が揃っていた。結城理仁はそれを見た後、その整った顔が暗く沈み言った。「佐々木俊介が奥さんに渡している生活費は月六万だ。これは奴が割り勘にすると言い始める前の金額だぞ。割り勘にした後、たっ
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