成瀬莉奈は「息子さんはあなた達夫婦二人の子供だから、そもそもそれぞれが半分ずつ負担するものだし、あなたは間違ってないわ」と言った。佐々木俊介はもちろん自分が間違っているとは思っていない。彼は一口ワインを飲み言った。「スカイロイヤルって本当最高級のホテルだな。ここのワインは普段俺たちが飲んでるのよりも高級なやつだ」成瀬莉奈は笑って言った。「それに今日はパーティーでしょ。残念なのは今晩ここに来ているのは中小企業の社長とか、私たちと同じレベルのエリート達だということね。神崎社長や結城社長みたいな大物は一人も来ていないわ」彼女は結城社長のような超大物にもう一度会ってみたいと思っていた。以前偶然見かけたことがあるが、彼女は結城社長の顔を見ることができなかった。だから結城社長が噂で聞くように高貴で冷たいだけでなく、超絶イケメンであるか気になるのだ。「いつかは俺たちも結城社長や神崎社長のような人物に出会う機会があるさ」佐々木俊介は成瀬莉奈を慰めて言った。彼はそんな彼女よりも残念に思っていた。彼女は彼のただの秘書でしかなく、彼のほうはビジネス界のエリートなのだから大物に知り合えれば意味がある。もし結城社長のような人と話ができる機会があれば、今後彼が転職しようと思ったら今よりももっと良い会社に行けるだろう。それにもしかしたら結城グループにも入れるかもしれない。「俊介、あなたもいつか社長になれるといいわね」成瀬莉奈は佐々木俊介が自分で大企業を作り、社長になることを妄想していた。そして彼女は佐々木唯月を蹴落として、佐々木俊介の妻となり、大企業の社長夫人として君臨するのだ。佐々木俊介は笑って言った。「幅広く人脈づくりして、資金も貯まったら自分の会社を作るよ」二人はおしゃべりして笑い合った後、知り合いに挨拶をしてビジネスの話をした。成瀬莉奈はずっと佐々木俊介の傍にいて、彼が誰かとビジネスの話をする時には彼女もその話に加わった。もし今夜佐々木唯月が来ていれば、彼女の今の容姿を見て参加者はみんな嫌悪感を持ち、そのせいで佐々木俊介の評判を落としていたことだろうと彼女は思っていた。佐々木俊介が太った醜い妻を連れていると笑い者になっていたはずだ。しかも佐々木唯月は暫く社会から離れていて時代の流れについていけていない。唯月を佐々木俊介のパートナ
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