「ここでしばらく滞在したい」清墨はさらりと提案した。その意図を州平はすぐに察した。清墨とファラオがここに留まりたいのは、結局のところ海咲のためだった。彼らは近くにいることで、彼女との関係を修復し、彼女の心を動かしたいと考えているのだろう。州平は何も言わなかったが、清墨が彼の方へ歩み寄り、一つの視線を送った。それを受け取った州平は、口を閉ざしたまま外へ歩き出した。テントを出る前、州平は部下に目配せし、彼らがファラオをもてなすよう指示を出した。そして、州平と清墨はテントの外に出た。清墨は率直に言った。「父は淡路朔都に騙されていただけなんだ。本当は音ちゃんをとても大切に思っていた。海咲と君はい
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