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第237話 本当に図々しい

「ただ鈴さん、帝都グループを管理して社長になったと聞きました。本当に素晴らしいですね。おじさんの会社が最近リストラして、仕事がなくなったんですが、帝都で働くことができませんか」

鈴は返事をしなかった。

しかし、双葉は全く問題だとは思わなかった。

「おじさんは以前はただのグループリーダーでしたし、帝都で役員になっても問題ないと思います」

隣にいる安田祖母はこの言葉を聞いて顔が青ざめた。

「どういうことですか?安田家の一員として、安田グループのような大企業で仕事を見つけるのは難しくありません。うちの家は小さいので、この大仏を迎える余裕がありません」と鈴はその様子を見て、言った。

鈴の言葉は遠慮がなかった。

双葉の顔色は瞬時に変わり、鈴が彼女の弱点を突いたのが分かった。安田グループに入れたなら、こんなに苦しい思いをしなくても済んだのに。

それも、彼女の家の男性が頼りなく、能力がないから、翔平には見向きもされないからだ!

そのことが鈴の口から出たため、双葉は恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にした。

「鈴、生意気してんじゃないわよ!たかが一つの仕事を手配するだけで嫌がるなんて、翔平に振られるのも当然よ」

「双葉!」と安田祖母が厳しい口調で彼女を叱りつけた。

この一番年下の娘は普段から甘やかされすぎていた。

「お黙りなさい、ここでごちゃごちゃ言わないで」

「お母さん!ただお願いをしているだけなのに、みんな家族じゃないですか」と双葉は不満が残ったまま、反論した。

「本当に図々しいね!」と安田祖母に言われ、双葉は顔をしかめ、冷たく一言を残して立ち去った。

安田祖母はすぐに謝った。

「鈴ちゃん、彼女の言うことは気にしないでください」

「大丈夫です、おばあさん!」と鈴は首を振って、答えた。

彼女はそれを犬の吠え声とみなして、気にしなかった。

「おばあさん、これが贈り物です。長寿をお祈り申し上げます」

鈴はすでに用意していたプレゼントボックスを取り出し、安田祖母に渡そうとしたが、翔平が先に手を伸ばして受け取った。

「どんな贈り物なんだ?見せてみろ」

そう言うと、先に箱を開けた。それは緑色の翡翠のネックレスで、見るからに高価であることがわかった。

「鈴、君の目はますます良くなっているね」と翔平が褒めた。

鈴は動じることなく、「確かに以前よりは良
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