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第240話 こんなに無様

「何をしているの?」

扉のところで、翔平の声に怒りが混じっていた。

ほとんど躊躇することなく、彼は一歩踏み出して鈴の前に立ち、無言で彼女の手を引っ張った。

鈴がまだ状況を把握できないうちに、彼に引きずり出された。

「……あれは?」

鈴は目を上げ、信じられない様子で尋ねた。

翔平は眉をしかめただけで、何も説明しなかった。

「たとえ何を見たとしても、深く考えないで」

鈴は心の中でますます驚き、何か知られざる秘密が隠されていると感じた。

「……これってあまりにも奇妙すぎます」

鈴は呟きながら、さっき見たものを思い返していた。

視線が翔平の顔に留まり、最後に尋ねた。

「どうしてあなたの白黒写真が壁に掛かっているの?翔平、あなたは幽霊なの?」

翔平は怒りを見せた。

「でたらめ言うな、見間違いだ」

「……本当なの?」

鈴は再び尋ねと、今彼が自分の手を握っていることに気づいて、ためらうことなく手を引き抜いた。

「……誕生日パーティーがもうすぐ始まるから、下に行こう」

翔平の手の中は空っぽになり、でも忍耐強く提案した。

鈴は心の中で疑問を感じつつも、自分の考えすぎだと思った。

翔平は今、無事に目の前に立っているからだ。

「おばあさんは?彼女は大丈夫なの?」

「何を言っているの?」

鈴は説明した。

「おばあさんの体調が悪いと聞いたので、様子を見に来たのです」

「おばあさんに大事はないが、次回からはここに来るな」と翔平は疑いの目を向け、言った。

鈴は目を伏せ、うなずいた。

二人は廊下を一列になって歩き、一階の階段口に差し掛かった時、突然何かが天から降ってきて、一瞬で鈴に向かって落ちてきた。

「……危ない」

翔平は本能的に彼女の腕を引っ張り、自分の体で重い物をしっかりと防いだ。

「ドン!」という音と共に、物が翔平の背中に重くぶつかり、瞬時に彼の体がカラフルな塗料で覆われた。

凄く無様の姿になった。

周囲の視線が集まり、皆は驚いていたが、翔平は非常に困惑していた。翔平がこんなに無様の姿を見せたことはなかった。

「大丈夫?」

鈴は心配そうに尋ねたが、この騒ぎに周囲が集まり始めた。

「翔平……」真央は最初に駆け寄り、心配そうに言った。

「どうしたの?どうしてこんなことになったの?」

周りの人々も驚いていた。

「どうして
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