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第9話

「珠美、私たちが長年の友達じゃない。どうか許してくれない?秘密と引き換えにしてあげるわ。あの子供がどうしていなくなったか知ってるの?」

流産した子供のことを聞いて、私は一瞬目を閉じ、彼女の服の襟を掴んで問い詰めた。「どういう意味?事故で流産したんじゃないの?」

「まず私を許してくれない?」

菜月は条件を提示しようとしていたが、私はその場を立ち去ろうとした。彼女は慌てて言った。「言うよ、言うよ。あの時、私は涼介のお母さんを連れて、私立病院に行ったの。そしたら、女の子を妊娠してるって聞いて、涼介の両親はそれを望んでいなかった。それで、わざと床にオイルを撒いて、あなたの流産を引き起こしたのよ」

真実を聞いて、私は顔が真っ青になった。当時、ずっと自分のせいで子供を失ったと思っていた。お義母さんも私を責めていたのに......

涙が止まらなくなった。私の子供、ママが必ず仇を取るからね。

「全部話したわ。これで私を許してくれる?」

私はゆっくりと菜月の顎を持ち上げ、「いいわ」

菜月は大赦されたかのように笑い出した。「珠美、やっぱりあなたは優しいわね」

私は笑みを浮かべた。涙の痕がまだ頬に残っていた。

いいえ、私は優しくなんかない。

あんたたち全員に相応の報いを受けさせるつもりよ。

菜月の証言をもとに、中川涼介とお義母さんの佐藤和子は主犯として逮捕され、刑務所に送られた。涼介は不法入国の幇助、恐喝、強姦の幇助などの罪で無期懲役となり、私との婚姻も強制的に解消された。和子も恐喝と強姦の幇助で懲役15年の刑が下された。

そして、ジョージは母国に強制送還され、大使館で処理された。

菜月は涼介の子を妊娠していたため、執行猶予がついた。

菜月の話を再び耳にしたのは、私がマルディブ旅行に出かけていた時だった。

彼女は高利貸しの松本さんに襲われ、半殺しにされて、骨折を何か所もしていたらしい。腹の中の子供も流産したと聞いた。

ああ、言い忘れていたけど、私がジョージに頼んで、菜月の名前で警察に匿名の手紙を送らせたの。そのせいで松本さんの部下数人が逮捕されたのよ。

その後、松本さんは菜月を捕まえて、彼らのやり方で手加減なく制裁を加えたらしい。病院に運ばれた時には、菜月はもう瀕死の状態だったとか。

それにお義父さん。彼は礼儀や名誉を重んじる人で、男尊女卑の考えも強
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