第2話

システムの助けを借り、私は簡単に宝石を手に入れた。

しかし、退出しようとした時、硬い胸板にぶつかってしまった。

修司郎は腰にだらしなくバスタオルを巻きつけ、裸の上半身には情事の赤い痕が残っていた。

私は顔を背け、彼を避けて立ち去ろうとしたが、彼は私の手首をがっちりと掴んだ。

「出せ」

宝石を背に隠しながら、私は強情に顔を上げて言った。

「これは元々私のものよ」

修司郎は眉をひそめ、顔色が悪く、冷たい声で言った。

「どうして愛芽と張り合うんだ？」

その言葉に、私は思わず笑い声を漏らした。

なんて悲しい、これが私が命を賭けてまで救おうとした相手なのか。

修司郎は私の攻略対象の一人であり、この体の実の兄でもあった。

15歳の暗く冷たい夜、私は誘拐された彼を救うため、命がけで彼を背負って走り続けた。

顔は腫れ、唇は裂けたが、彼が眠りに落ちてしまわないよう、必死で話しかけた。

気を失う直前、彼がこう言ったのを聞いた。

「もしお前が俺の妹だったらな…」

「絶対にお前を守る。傷つけさせやしないから」

その後、私は本当に血の繋がった妹になったが、彼はその誓いを裏切った。

今やただの宝石のために、彼は私を傷つける刃を振り上げるまでになってしまった。

彼がさらに傷つけるような言葉を言う前に、私は手を上げ、ためらいなく彼の頬を打った。

男の冷たい視線に、私は一歩も引かずに応えた。

「この一発は、かつての命の恩を返してもらうためよ」

私はさらにもう一度彼を打とうと手を上げたが、その手首を彼が掴み、あっという間に振り払われた。

私は数歩よろけて倒れ込んだ。

修司郎は私を見下ろし、その瞳には溢れんばかりの嫌悪が浮かんでいた。

「少し躾が足りないようだ」

彼の視線は最後に金庫の上に落ちた。

修司郎は私を金庫に詰め込み、最初は頭、次に体を押し込み、最後に左足が長くて中に収まらなかった。

「足を折れば、全部入るでしょ？」

愛芽の軽い一言が、修司郎には絶対の命令に聞こえたようだ。

私は恐怖に怯え、修司郎を哀れむように見上げ、わずかな慈悲でも引き出そうとした。

「修司郎、忘れたの？」

「一生私を守るって誓ったじゃない」

涙がとうとう頬を伝い、私はほとんど叫びに近い声で問い詰めた。

「私の方が本当の妹なのよ！」

「さっきお前の一発で、恩はもう返したはずだが？」

彼は冷たく言い放ち、怒りと嘲笑の表情を浮かべ、手を止めることなく続けた。

「…ああッー！」

私のすねは折れ、ついにすべて金庫に収まった。

「ドンッ」と音を立てて、金庫の扉が閉められた。

闇が私を覆い、空気が一瞬にして奪われたようだった……

恐怖で必死にもがいたが、足の痛みが激しく、狭い空間の中で動くこともできず、胸に息苦しさだけが増していく。

なぜ、なぜ私がどれだけ努力しても、どれだけ尽くしても、彼らは愛芽を愛してしまうのか。

システムはしばらく黙ってから答えた。

「ご主人様は愛されない役を担う本物令嬢だからです」

「愛芽と争うのが誰であっても、勝つことは決してできません」

私は首を横に振り、涙で顔が濡れた。

愛芽と誰かを奪い合おうつもりはなかった。

ただ、元の世界にいる息子を救いたかっただけなのに。

狭い空間、体の痛みで声もほとんど出なくなってきた。

その時、譲一の声が聞こえてきた。

「姉さんを独り占めする権利はないよね？」

少年の声には少し幼さが残っていたが、その響きは決して退かない意志を持っていた。

私の目が瞬く間に輝きを取り戻した。