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第 0289 話

部屋には浴室があり、彼女がシャワーを浴びて出てくると、荊州はベランダのソファに座ってスマホを見ていた。

彼女は彼に構わず、ドライヤーを手に取って髪を乾かし始めた。

部屋の中に風の音が響き渡る中、秋辞は鏡の中の自分を見つめて、ふと考え込んだ。

彼女は今日、佐和子がレストランで言ったことを思っていた。なぜ祖父は母に中絶させようとしたのだろうか?

「痛っ……」頭皮を引っ張る痛みが彼女を現実に引き戻した。ドライヤーから焦げた匂いが漂い、髪の毛が巻き込まれていたのだ。

秋辞はドライヤーを止め、手で引っ張ったが、髪の毛は微動だにしなかった。

彼女はコンセントを抜いて、ハサミを探し回った。ベッドサイドテーブ
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