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第4話

康之は片膝をつき、深い眼差しで私を見つめていた。その様子はまるで熱心な信徒のようだった。

しばらく麻痺していた心が、突然激しく鼓動し始めた。

しかし、時は過ぎ、今の私にとって彼の熱烈な想いは重荷でしかなかった。

「ごめんなさい......」

私は素早く手を引き、指先には彼の手の温もりがかすかに残っていた。

康之は今にもこぼれそうな涙をぐっと堪え、低く押し殺した声で、少し諦めたような口調で言った。

「君のそばにいられるだけでいい、身分なんてなくても構わない」

その日の夜、私は悪夢を見た。

夢の中で、私はまたあの見慣れた監獄に戻っていた。

何日も続く拷問で疲れ果てているところへ、激しいノック音が聞こえた。

それがあの「悪魔」だ。

私は恐怖に縮こまって声を出すこともできなかった。半秒も経たないうちに、かろうじて閉まっていたドアが蹴破られた。

記憶があまりに苦痛だったせいか、その人の顔は私の中でとっくにぼやけていた。

でも今夜だけは、妙にはっきりと浮かんでくる。

康之だった。

それは白衣を着て、鉄の棒を握った康之だった。

彼の罵声と暴力がどれほど続いたかもわからない。弱り果てた私の首を掴み、彼はまだ憎しみに満ちた言葉を吐き続けた。

「維、お前を殺してやる......お前が死ななきゃ、俺の人生の汚点は消えないんだ......」

息が絶えようとするその瞬間、目を覚ました私は、横で眠っている康之の姿を見つけた。

私は迷うことなく身を翻して、彼の首をしっかりと締めた。

「殺してやる......あんたを殺してやる」

顔が青白くなった康之の表情が真っ赤になったが、その眼差しには不思議なほどの静けさがあった。

彼の途切れ途切れの言葉から、私はこうつなぎ合わせることができた。

「維......ずっと、この日を待っていたんだ......君に償うものが多すぎて、この命も君が望むなら、持っていってくれ」

一瞬の躊躇の間に、彼は目を閉じ、死を待つように静かにしていた。

その瞬間、私は突然動揺し、恐怖が痛みを上回った。

心の奥からの声が、康之を殺してしまえば、この先一生、自分もまともに生きられなくなるだろうと告げていた。

康之の首に残った痕跡は、数日経っても消えなかった。

私は罪悪感に駆られ、彼に薬を塗ってあげることを申し出た。

久しぶりに彼
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