第 0061 話

瑠璃はどうしても生き延びて、蛍が罰を受ける日を見届ける決意をしていた。

景市を離れようとしたが、隼人は定期的に彼女を目黒家の本家に連れて行くため、うまくいかなかった。

目黒の爺さんは、瑠璃に対してなぜか親しみを感じ、彼女の肩を軽く叩きながら言った。

「この子、どこかで見たことがあるような気がする。前世で俺たちは祖父と孫だったのかもしれないな」

実際、目黒の爺さんだけでなく、瑠璃自身も同じように感じていた。

目黒の爺さんに初めて会ったとき、まるで以前から知っている人のように感じていた。

瑠璃が目黒家の本家に行くたび、隼人は見せかけの優しさを見せるが、家族の他のメンバーは皆、彼女を目の敵にしていた。特に蛍がそうだった。

蛍は瑠璃を蹴落とし、目黒家の若奥様の座を得る寸前まで来ていたが、目黒の爺さんの反対でそれが叶わず、計画は難航していた。

月曜日の午後、瑠璃が仕事を探していると、隼人から電話がかかってきた。「今夜、俺と本家に戻れ」と命じられた。

彼の命令には逆らえず、さらに「今日は忙しいから迎えには行けない。自分で来て、おじい様が好きなお餅を買って持ってこい」と指示した。

目黒の爺さんがグリーン通りのお店のお餅を好んでいることを瑠璃も知っていた。隼人がその道を通るたびに必ずそれを買っていた。

瑠璃はすぐに準備を済ませ、地下鉄でグリーン通りに向かった。

お餅を買い終えて帰ろうとした時、見覚えのある小さな姿が目に入った。

それは蛍と隼人の息子、目黒君秋だった。

瑠璃は辺りを見回したが、蛍の姿はなかった。君秋は周りを見渡し、誰かを探しているようだった。

彼は迷子になってしまったのか？

そう思ったその瞬間、数人の通行人が君秋に話しかけているのが見えた。

君秋はまだ2歳で、歩行も不安定で、自分の意思を明確に伝えることもできなかった。

その時、怪しい男が君秋に近づいてきた。瑠璃は急いで駆け寄った。

「君ちゃん！」

彼女が呼びかけると、君秋は振り返った。

彼は何度か瑠璃に会ったことがあり、すぐに「お姉ちゃん」と親しげに呼んだ。

近くにいた男は、二人が知り合いだと分かると、つまらなさそうに立ち去った。

「君ちゃん、どうしてここにいるの？誰も一緒にいないの？」

「ママ......」君秋は瑠璃を見上げながらそう呟いた。

瑠璃は胸が締め付けられ