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第51話

紗希はこの見出しを見て、急に頭が痛くなった、本当に露見されたくないなあと。

でも、中をクリックして内容を見たら、自分と直樹兄さんが会場に入る後ろ姿の写真が1枚あるだけで、正面の写真がなかった。

彼女は少しほっとして、写真が露見されなくてよかったと思った。

でも、自分と直樹兄さんが3年前に交際を認め、3年間一緒にいてから公になったということを言ったのは何の人だった。

やっぱり芸能界のニュースは、名前以外は全部嘘だった。

紗希は友人の美咲に彼女の兄は単に代役で、今回は記者に間違われただけだという件に説明した。

彼女は携帯を置いて、外出してたくさんの物を買い、それらを全て長兄と義姉のためのプレゼントにし、大京市に持ち帰ってもらうつもりだった。

紗希は直樹を見て言った。「直樹兄さん、トレンド入りの件で迷惑かけていないか?」

「大丈夫だよ。あちらに連絡して、後ろ姿の写真だけ掲載するので、あなたの顔が露出することはないから安心して」

直樹は実は少し残念に思った。公表できればいいのに、紗希が彼の妹だと世界中に告げられればいい!でも残念ながら、今はタイミングが違った!

平野は試しに口を開いた。「紗希、優勝を取った後、たくさんの会社からスカウトの話があったでしょう。どの会社に行くつもりなのか?三井不動産グループはイベントの主催者だから、条件は一番いいはずだ」

平野は必死に暗示して、妹に自分のグループに残ってほしくてしょうがない、そうすれば紗希の面倒を見てもらえるから。

紗希は三井グループを思い出した。これは詩織の家の事業ではないか?

彼女は詩織と関わりたくないので、首を振った。「平野兄さん、私はもうアルバイトを見つけたの」

平野は少し落胆したが、それでも何も言わなかった。紗希が好きなら、どこで働いてもいい。

紗希は長兄と義姉を見送った後、先輩のスタジオに報告に行く準備をして、道中で電話がかかってきた。「紗希さん、こんにちは。渡辺グループの人事部マネージャーです。当グループで働くことを検討していただけないでしょうか?待遇など何でも相談に応じます」

渡辺グループ?

紗希は躊躇いながら口を開いた。「なぜ私をあなた達のグループで働かせたいのですか?」

以前、拓海は単に亜紗というタレントをスカウトしたかっただけで、それが自分だとは知らなかった。でも授賞式の後
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