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第246話

翌日、御者の玄武は爽やかな様子で目覚めたが、目の下には隈ができていた。

さくらは、玄武がどうしてこんなことができるのか不思議に思った。明らかに睡眠不足なのに、こんなにも元気そうなのだ。

目の下の隈以外は、顔も目も輝いているように見えた。

昨夜潤と話をした後、潤は玄武に対してそれほど恐れや警戒心を示さなくなった。時々、カーテンを少し開けて、こっそり玄武の後ろ姿を見るようになった。

彼はおじいちゃんと同じような人なんだ。とても強くて、敵だけを倒して、民を傷つけたりしない。

だから怖がる必要はないんだ。

潤は心の中でずっと自分に言い聞かせていた。そう言い聞かせ続けるうちに、次第に玄武は潤の目には祖父や父と同じような存在になっていった。それに、これからは叔母の夫になる人、つまり身内になるのだと。

千葉市に着く頃には、潤は自ら玄武に手振りで話しかけ、玄武に手を引かれてお菓子を買いに行くことさえ恐れなくなっていた。

さくらはその様子を見て、とても安堵した。

変化はそれだけではなかった。潤はさくらを信頼するのと同じように玄武のことも信頼するようになっていた。食事の時は自ら玄武の隣に座り、まだ力の入らない指で苦労しながらも、玄武のために料理を取り分けようとした。

夜、潤はさくらに手紙を書いた。これから叔父になる人に優しくすれば、その人もおばさんに優しくしてくれるだろうと。

潤はいつも思いやりのある子供だった。

彼の顔にも徐々に笑顔が戻り、目の中の暗い影もだいぶ消えていった。しかし、道中で物乞いする人を見かけると、まだ同情のまなざしを向けていた。

ただし、その物乞いの人々は子供ではなく、本当に物乞いをしている大人たちだった。

潤はそういった乞食たちにまんじゅうをあげていた。

さくらが潤の気持ちに応えて小銭をあげようとすると、潤は手を振って止めた。手振りで説明するには、まんじゅうなら食べられるが、お金をあげると背後にいる人に取り上げられてしまう。そして、一度お金をもらうと、次にもらえなかった時に殴られるのだと。

たとえこの乞食が以前の自分とは違っていても、潤はいつもそう考えてしまうのだった。

さくらは胸が痛んだが、それでも笑顔で潤の頭を撫でながら言った。「わかったわ。全部潤くんの言う通りにするわね」

京都の皇城内。

内閣が奏折を処理していると、房州
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