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産後、旦那が幼馴染に数千万のアクセサリーを買っていた
産後、旦那が幼馴染に数千万のアクセサリーを買っていた
Author: 枝火

第1話

出産を終えて家に戻ってから三日目、夫は急な出張が入り、私と一緒にいられないと言い、私を残して一人で子供の面倒をみることになった。

三日後、私が病院に着いた時、彼の幼馴染がインスタに大げさに盛った家族写真をコメント付きでアップした。

『旅行先の写真、一家三人、めっちゃ仲良し』

私はその家族写真の中に映る太陽のように輝く笑顔の夫を怪しく見つめながらコメントを送った。『?』

夫はその後すぐに電話をかけてきて責め立てた。

「彼女はシングルマザーで可哀想だろう。男の世話にずっとならずにやってきたんだ。俺はただ彼女に付き合って、軽い気持ちであの写真を撮っただけさ。そんな度量の小ささでどうするんだよ?」

夕方、その幼馴染がまた数千万もするアクセサリーセットの写真をアップした。

「家族写真を撮った後、彼ったらどうしてもこんなに高価なネックレスを贈るって聞かないのよ~」

私は夫が彼女のご機嫌取りのために買ったものだと分かっていた。

でも今回は、私は彼のもとを去る決意をした。

……

私の気落ちした様子を感じ取ったのだろう、子供が突然大声で泣き出した。

私は子供を二時間あやし続け、ようやくこの子は落ち着いた。

しかもその間、仲村和人は一本の言い訳の電話もよこしてこなかった。

持田芽衣はまだインスタの更新を続けている。

彼女は立て続けに三枚の高価なアクセサリーセットの実物写真をアップし、ポテチを食べながら携帯を見ているネット民を驚かせた。

コメント欄には一瞬にして99以上ものコメントが付き、みんなは本心から羨ましがっていた。

私は目ざとくも、その大量のコメントの中から夫の仲村和人のコメントを発見した。

『今日は君にプレゼントしたけど、20年後には俺たち二人の娘にもセットを買ってあげよう』

『分かったわ、あなた。愛してる~』

二人の注目を集めるその堂々とした発表がとても目障りで、私は横を向いてベビーカーでぐっすりと眠る子供を見つめた。

たぶん仲村和人は自分に生まれてまだたった六日しか経っていない息子がいることなどすっかり忘れているのだろう。

私が出産したその日、仲村和人は仕事が忙しいことを理由に、立ち会い出産には姿を現さなかった。

後から知ったことだが、彼はその日、持田芽衣の娘の三歳の誕生日で忙しくしていたようだ。

「胆のうの結石が大きくなりすぎていますから、もう先に延ばすことはできませんね。明日にでも手術をするのをお勧めします」

医者は検査結果を手に持ち、私に説明をした。

私は妊娠中に見つかった胆のうの結石を見ながら、数秒間迷った後、仲村和人にメッセージを送った。

「明日一度帰ってきて、ちょっと急用があるの」

メッセージを送ってしばらく時間が経ってから、仲村和人はようやく私に返事をした。

彼のその言葉遣いから、面倒臭がっている様子が読み取れた。

「俺はすごく忙しいんだ。小さなことで俺にいちいち言ってくるなよ」

「これ以上俺の邪魔をするっていうなら、さっさと離婚しよう!」

私は冷静にメッセージ画面を見つめた。

仲村和人が一体何回離婚の話をしたか、もう覚えていない。

持田芽衣が現れてからというもの、毎度仲村和人と彼女は曖昧な関係で、私が少しでも不機嫌になると、仲村和人は離婚という言葉を武器に私を脅してきた。

「結婚生活において、少しも辛い思いをしない女性がいるか?我慢できなくなったら離婚するしかないだろう」

以前は毎回私から過ちを認め謝っていた。

今回は、彼の言うとおりにしようと決めた。

「私は手術しなきゃならないから、あなたに帰って来てって言ったの。もしそんなに私にうんざりしてるんなら、離婚するのが妥当でしょうね」

数秒後、私の携帯が鳴った。

電話の向こうから聞こえてくる仲村和人の声はかなり優しくなっていた。

「病気になったのにどうして俺に言わなかったんだ?明日何時から手術だ?帰って付き添うよ」

私は眉間にしわを寄せ、ぐっすりと眠っている子供を見ながら返事をした。

「午後二時から」

「わかった」

翌日の午後、仲村和人はずっと携帯の電源を切っていた。

私は痛みで顔を真っ青にし、全身に力が入らず、歯を食いしばりながら友達を呼んでサインをしてもらった。

夕方、手術が終わった。

医者は私に数日は安静にしているようにと伝えた。

仲村和人は始終電話一つも私に返してこなかった。

持田芽衣は依然としてインスタに見せびらかすように、誰かさんとの仲睦まじい様子をアップしていた。

『ちょっと足ひねっちゃっただけなのに、彼ったら顔を真っ青にして驚いて、フルスピードで車走らせて病院に連れて行ってくれたの』

『もう、彼ったら本当は今日の飛行機で帰る予定だったんだけど、私の足の怪我を見たとたん、飛行機キャンセルしちゃったのよ』

『もうやば!ただちょっと足ひねっただけなのに、自分で歩かせてくれないの。ずっとおんぶしてくれたのよ!』

私は写真をクリックした。

その写真は仲村和人が持田芽衣をおぶっている写真だった。

私は妊娠四ヶ月の頃、検査に行った時のことを思い出していた。

骨盤のあたりが急に痛み出し、歩くだけでまるで何かの刑罰を受けているかのようだった。

医者は骨盤の関節に炎症を起こしているから、極力歩かないように、毎日温めなさいと言った。

私は仲村和人に電話をかけて、病院まで来てもらいおぶって家まで連れて帰ってもらいたかった。

しかし、彼の声はとても面倒臭そうだった。

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