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第62話

もしかしたら、私の待っている人は、実際には来ないかもしれなかった。

しかし、その少女は賢く、笑顔で尋ねた。「姉さん、人を待っているの?」

「はい」

「友達はきっと道路渋滞に巻き込まれているだろう、体育館周辺は今とても混んでいるから」

私が落ち込んでいるのを見て、彼女は笑顔で近づいてきて慰めてくれた。彼女は頭をかしげながら言った。「一緒に待ってあげるよ」

「入らないの?」

「チケットを手に入れられなかったんだ」

彼女は肩をすくめ、口角を下に向け、がっかりした様子だった。しかし、どうしようもないようだった。

私は軽く笑って言った。「じゃあ、一緒に待ってくれる?」

彼は来ないし、私も彼が来るのを待っているわけではなかった。

自分が完全に諦めるのを待っていた。

そして、1時間待った。広場の人々が混雑しなくなり、徐々に減っていった。私は携帯を握っているても凍りつきそうになった。

放送が入場の締め切りのお知らせを流した。

「南」

後ろから、一つの玉のような温かい声が聞こえた。

私は驚いて振り返り、同じく茶色のコートを着た山田時雄を見て、微笑んで言った。「先輩、奇遇だね」

彼は眉をあげて言った。「確かに奇遇だね、また会った」

自動販売機で飲み物を買っていた女の子がちょうど戻ってきて、山田時雄を見て、目が輝いた。「姉さん、彼氏かっこいいだね!アイドルになれるくらいだよ」

私は気まずくなっって、説明するかどうかに迷った。

山田時は私を困らせないような方法で、私たちの関係を説明した。「宏は来なかったの?」

「もう来ないだろう」

「じゃあ一緒に入ろうか?」

「一人?」私は疑問に思った。

「うん」

「それならいいよ」

コンサート、一人で見るのは本当につまらなかった。

私は頭を上げて山田時雄を見た。「ちょっと待ってて」

そして、自分の余分なチケットをその女の子に渡して、「早く入場しよう」

「あぁ?」

彼女は驚きと喜びで目を丸くし、口角の曲線はどうしても抑えられなく、興奮して言った。「ありがとう姉さん!!私、お金を振り込むから!」

「いらない。これは余分なチケットだから」

余計なものは捨てるのはもったいなくて、必要な人にあげる方がよかった。

私と山田時雄は一緒にチケットを確認しようとしたが、その女の子はまだ広場にいて、チケットのな
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